ブリッツクリーグ2 ドイツ軍第2章最終ミッション「帰郷」攻略レポート

こちらは私が運営していたゲームブログ「真夜中のほうれん荘」の過去記事を公開状態で保管するために再投稿したものです。


2006.10.19  公式キャンペーン・ドイツ軍第2章最終ミッション「帰郷」攻略レポート - RTS(BK2)


公式キャンペーン・ドイツ軍第2章最終ミッション「帰郷」攻略レポート

目次


はじめに
作戦計画の立案
・・・状況判断(METT-T)
・・・・・任務分析(Mission)
・・・・・地形判断(Terrain & Weather)
・・・・・・・・「Go/No-Go」分析
・・・・・・・・自軍接近経路選出
・・・・・敵戦力の推測(Enemy)
・・・・・・・・敵の撃破地区の推測
・・・・・自軍戦力の把握(Troops)
・・・・・・・・部隊の編制
・・・・・・・・増援部隊の戦力
・・・・・・・・戦力の運用
・・・・・時間(Time Available)
・・・行動方針
・・・・・行動方針の分析-ウォーゲーム
・・・・・行動方針の採用
作戦の実行と考察(AAR)
略語とリンク


はじめに


こちらはブリッツクリーグ2(Blitzkrieg II:BK2)の公式キャンペーンミッションの攻略記事です。
ミッション情報が記述されているので、これから攻略する事を楽しみにしている方は、ネタバレが多分に含まれていますのでご注意下さい。

記事の流れは最初に作戦計画の立案として地形等の分析を行い、次に行動方針(部隊をどう動かすか)を計画、そして作戦の実行という形で進んでいきます。


作戦計画の立案


ミッションを達成する為に最も効率の良い方法を考え、それを実現する為に、部隊の行動を明確にした作戦計画書を作成します。

ゲームをプレイするにあたって、その時その時の気分や、敵(AI)の出方に反応してミッションを進めていくプレイスタイルだと頭の体操にはならないので、ここではまず先に作戦計画を立案し、計画案に沿って部隊を運用していくプレイスタイルを取ります。
計画案が不適切な場合は当然ミッション失敗になりますので、その場合は副案または新しく計画案を立案し、そのつどシミュレーション(模擬実験)していきます。


状況判断(METT-T)


作戦計画の立案に必要な情報は米国陸軍で使われるMTETT (Mission, Terrain&Weather, Enemy, Troops and Time Available)の書式で記述しています。
米国陸軍のFM(野戦教範)には、実務に必要な事柄が非常に細かくマニュアル化されていますが、その中から必要なものだけを抜き出し参考にしています。

ちなみに状況判断の項目は通常、METT-T(Mission, Enemy, Terrain, Troops and Time Available)と表記されますが、ここでは思考手順として敵戦力推測の前に地形判断を行うのでMTETTと表記しています。


任務分析(Mission)


それでは、ミッションスタート前に与えられる情報(任務内容)を見てみます。


たったのこれだけです・・・orz
洋ゲー特有の、ゲームスタート直後に訳も分からず丸裸で荒野に放り出されたような雰囲気がBK2でも味わえます(笑)
目標の正確な位置や予想敵戦力、自軍の戦力などの詳細が不明なので、文字通り白紙の状態から作戦計画を立案する事になりそうです。

とりあえず、参考になりそうな情報を抜き出してみます。
・北にある町(トブルク)を制圧占領する
・西にある砦を囲む要塞を制圧占領する
・時期は1942年6月

まずは、最終目標は北にある町を占領する事、そしてその前に西にある砦を占領する事が分かりました。


地形判断(Terrain & Weather)


次に、作戦地域の地図を入手し地形判断を行います。

こちらはBK2の「ハイパースクリーンショット作成機能」で撮影した、作戦地域の地図です

地図を参照すると右側が北になるので、自軍は南から北へ進軍する事になります

流石にプロのマップデザイナーが作成しているだけあって、航空写真を見ているのかと思うほどの美しいマップに仕上がっています。

BK2のこの便利な機能のおかげでゲーム前に全体地図を入手する事が出来るので、グラフィックソフトなどを使って、この地図に統制線などを記入していく事が出来ます。


「Go/No-Go」分析


ここでは地図を参照し、「Go/No-Go」分析を行い進入可能地形と進入不可地形を明確にしていきます。
この地図では、作戦地域内の海と砂漠のオアシス(泉)、全面進入不可能な丘と、背後へ進まないと登れない片側が斜面になった丘の部分が進入不可地形となります。

進入不可地形(No-Go)を色で塗りつぶす。町も進入及び制圧が困難な地形なので線で囲む


進入不可(No-Go)地形
・海と砂漠のオアシス(泉)
・全面進入不可能な丘
・背後へ進まないと登れない片側が斜面になった丘


自軍接近経路選出


先ほど行った「Go/No-Go」分析後の地図を見ると、残った進入可能地形から自軍のAOA(接近経路)を導くことが出来ます。

自軍の出発地点がAPで、最終目標が北の大きな町だと推測されるので、APから北の町へのAOAを線引きします。



この結果、自軍の主経路は西側を前進するAOA101のルートと、東側を前進するAOA201のルートが存在することが分かります。

接近経路一覧
・西側を前進する主経路(AOA101)
・AOA101経路上から"BRAVO 01"の町を迂回する経路(AOA102a)
・AOA101経路上から"BRAVO 01"の町を迂回する経路(AOA102b)
・AOA101経路上から"BRAVO 03"の町を迂回する経路(AOA103a)
・AOA101経路上から"BRAVO 03"の町を通り背後の丘を目指す経路(AOA103b)
・AOA101経路上から"BRAVO 04"の町を目指す経路(AOA104)
・東側を前進する主経路(AOA201)
・AOA201経路上から"BRAVO 02"の町を迂回する経路(AOA202)
・AOA201経路上から"BRAVO 04"の町を目指す経路(AOA203)
(注意)町に対応したコードネーム(BRAVO 01等)は以降の画像を参照して下さい。


敵戦力の推測(Enemy)


次に、作戦地域に存在する敵の戦力を推測してみます。
結論を先に述べると、先程の任務分析の項目(上層部から与えられた情報)を見ても分かる様に全く情報が得られません。
作戦計画立案前に偵察活動を行う事も出来ないので、次項で述べる敵の撃破地区の推測等から、ある程度の規模を想定するしかありません。

ゲーム的には、今までクリアしたミッションで約3~5倍の戦力の敵軍を撃破して終了しているので、今度のミッションも同じくらいの戦力ではないかと思われます。
攻撃側より防御側の方が戦力が3倍以上大きいというのは中々凄い状況ですが(笑)、AIはそれほど巧みな戦法を取る事が出来ないので、ゲームとしてプレイする場合はその辺が妥協点なのかもしれません。

ただ、この様に敵の戦力が遥かに大きい場合は、敵の撃破地区以外にも終始に渡って敵が伏撃している可能性が高いので、部隊の進軍は全周囲警戒態勢でゆっくりと前進しなければならないでしょう。


敵の撃破地区の推測


ここでは作戦地図と自軍のAOAを見比べて、AOA上で敵が迎撃してくるであろうEA(交戦エリア・撃破地区)を推測します。

作戦地域内で最もEAに適した場所は、両側が進入不可地形で囲まれた地形です。
両側が進入不可地形なので、攻撃された部隊は敵の背後へ迂回させる為の逆襲部隊を展開する事が出来ず、正面突破を強要されます。
防御側はここに塹壕などで陣地を強化することで撃破されるまでの時間を稼ぎ、その間に射程の長い対戦車砲などで一方的に攻撃する事が出来ます。
よって、EAを突破する為には攻撃側は多大の損害を覚悟しなければなりません。

地形図を参考に接近経路上で敵の迎撃が予想される撃破地区を地図に記入していきます

町は防御側にとって最大の撃破地区として利用できる地形なので、こちらもEAに含めます

各EAと各町にコードネームを割り当てて位置の特定が出来るようにしました


選出した敵の予想撃破地区の区域をまとめると以下のようになります。
・南側から進軍する敵を監視するための前哨基地(EA01)
・西側ルートを迎撃する第1線区域(EA11)(BRAVO 01)
・西側ルートを迎撃する第2線区域(EA12)(EA13)(BRAVO 03)
・西側ルートを迎撃する第3線区域(EA14)
・東側ルートを迎撃する第1線区域(EA21)(EA22)(BRAVO 02)
・東側ルートを迎撃する第2線区域(EA23)
・東西区域へ増援するための予備隊又は機動逆襲部隊の拠点(BRAVO 04)

次に、作戦進行の目安に使用するための統制線を引きます。
通常は各目標の位置などから統制線を決めていくのですが、今回はミッションを進めるまで目標の位置が特定出来ないので、地形図と予想される戦闘地域の区域から統制線を引きました。

統制線を記入した作戦地図


背景を取り除き簡略化した作戦地図


統制線の意味は以下のようになります。
・APは攻撃発起点として自軍部隊が集結する
・LDは攻撃開始線で、この位置から先は戦闘態勢で前進する
・"PL JULIETT"から"PL KILO"までの区域は最も激戦が予想される
・"PL KILO"線を突破する事で、もう一方の経路上にいる敵軍の背後に回る事が出来るので、中盤の戦闘の鍵を握る重要なライン(線)となる
・"PL ROMEO"線は目標の町に進入するために突破が必要な最終撃破地区のライン


自軍戦力の把握(Troops)


さて、ここまでの分析で地形、自軍接近経路、敵の予想撃破地区が明確になったので、次は作戦地域で行動する自軍の戦力について調べてみます。
戦力の把握には、初期戦力の他に増援も含めた全てのユニットの種類を明確にし、次に攻撃部隊を編制し戦力の配分を行っていきます。

部隊の編制




まずは、ミッション開始時から既に用意されている自軍のユニットを調べてみます。

作戦開始時の自軍戦力
11*突撃歩兵
1*機関銃兵
4*軽戦車  (三号戦車)
6*中戦車  (四号戦車)
3*駆逐戦車 (三号突撃砲)
1*重対空砲 (88mm重対空砲)
1*重牽引車 (弾薬補給兼務)
2*工兵トラック

これらのユニットを部隊として編制し、どの程度の部隊規模になるのか確認してみます。

1*戦車中隊
 2*中戦車小隊(計6両)
 1*駆逐戦車小隊(計3両)
1*歩兵中隊
 4*突撃歩兵小隊(計11個分隊)
 1*歩兵支援用軽戦車小隊(各小隊1両・計4両)
1*陣地防衛用小隊
 1*機関銃兵
 1*重対空砲 (88mm重対空砲)
 1*重牽引車 (弾薬補給兼務)
 2*工兵トラック

このように分けると、開始時の自軍戦力が1*戦車中隊、1*歩兵中隊、1*陣地防衛用小隊程度の規模であることが分かります。


増援部隊の戦力


作戦中は初期戦力以外にも増援コマンドを使用する事で部隊を増やすことが出来るのですが、増援部隊がどの様な構成で出現するのかは、実際に増援をしてみないと分かりません。
そこで、まずは一度ミッションをスタートさせて全てのタイプの増援を呼び、出現するユニットの構成を調べてみました。

増援ユニット一覧
      1回に召集される戦力
主力歩兵  4*主力兵 1*機関銃兵
突撃歩兵  3*突撃兵 1*バズーカ兵
精鋭歩兵  3*降下兵(特殊部隊)
軽戦車   4*三号戦車
中戦車   3*四号戦車
駆逐戦車  2*三号突撃砲
軽対空砲  2*20mm軽対空砲 2*輸送トラック
重対空砲  1*88mm重対空砲 1*重牽引車
戦闘機   1*戦闘機
攻撃機   1*攻撃機
爆撃機   1*爆撃機
最大増援数 30回

これは例えば、増援コマンドを使用して主力歩兵を選択すると、1回に主力歩兵が4ユニット(4個分隊なので1個小隊強)と機関銃兵が1ユニット出現するということです。
このミッションでは増援を30回行えるので、例えば主力歩兵を30回増援すると、120ユニットの主力歩兵と30ユニットの機関銃兵を出現させることが出来ます。

それでは、各増援ユニットの構成も分かったので、30回の増援を行うとどの程度の戦力を召集できるのかチェックしてみます。

まず、初期戦力の戦車中隊を攻撃部隊の基本単位とみなし、この戦車中隊と同じ規模のユニットを揃えようとするならば、1個戦車中隊につき、中戦車増援2回、駆逐戦車増援1回の計3回の増援が必要になります。
この事から30回の増援で10個戦車中隊を召集できる事が分かります(初期戦力として1個戦車中隊が既に用意されているので計11個戦車中隊で作戦実施)。


戦力の運用


次に作戦地図と自軍の接近経路を見比べ、11個戦車中隊の戦力の配分を見積もります。

最終目標である北側の町"BRAVO 06"を攻略する為の接近経路は大きく分けて2つあり、西側のAOA101経路と東側のAOA201経路に分かれます。
侵攻作戦には、一つの経路に全部隊を集中させて前進させる戦法と、部隊を2つに分けて経路ごとに前進させる戦法を用いる事が出来ますが、今回は2つの経路それぞれに部隊を割り当てる場合を想定して戦力の運用を考えてみます。
ちなみにこの戦法では、どちらか一方が"PL KILO"線を突破する事で、もう一方の敵軍の背後へ回り挟撃する事が可能になるので、より効果的な攻撃を仕掛ける事が出来ます。

まずは、部隊を2つに分けて前進させる事とし、これとは別に予備隊も必要になる事から最終的には部隊を3つに分ける事にします。
予備隊は、最終目標である"BRAVO 06"の町だけを強襲し確実に制圧するための決勝部隊です。
よって、予備隊は最初から戦力として数に含めず、緊急時にも召集せずに控置します。

3つに分けた部隊を区別しやすいように、A中隊、B中隊、C中隊と命名します。
A中隊はAOA101を前進し、B中隊はAOA201を前進します。
C中隊は決勝部隊として最後まで控置です。

各中隊の責任範囲は以下の様になります。
・A中隊は、"PL ROMEO"のEA14地区を突破し"BRAVO 06"の西からの進入路を確保する
・B中隊は、"PL ROMEO"のEA23地区を突破し"BRAVO 06"の東からの進入路を確保する
・C中隊は、最終目標である"BRAVO 06"の町を強襲し制圧する

次は、11個戦車中隊の戦力をABC中隊にそれぞれどの程度割り当てれば良いかを考察します。

決勝部隊のC中隊が町"BRAVO 06"に進入し、市街地を掌握しつつ町全体を制圧するには2個戦車中隊の戦力を要すと判断しました。
町"BRAVO 06"内の敵戦力が不明なので正確な判断は出来ませんが、AOA101、AOA201両方の経路から挟撃する形で町へ進入する戦法を取る事とし、それに必要な2個戦車中隊を割り当てる事にしました。

これで残りは9個戦車中隊です。
ここからAB中隊にそれぞれ1個戦車中隊を割り当てると、残りは7個戦車中隊となります。
戦力を単純に半分に分けると、例えばA中隊へ4個戦車中隊、B中隊へ3個戦車中隊となります。
しかし、作戦地図を参照し各経路上のEA数、市街戦を強要される町の数を比べると、6:4でAOA101を前進するA中隊の方により大きな負荷がかかることが分かります。
そこで、戦力配分率を変更しA中隊には5個戦車中隊、B中隊には2個戦車中隊を割り当てる事にします。

各中隊の戦力
・A中隊 6個戦車中隊(増援は5個戦車中隊。増援回数にすると15回)
・B中隊 3個戦車中隊(増援は2個戦車中隊。増援回数にすると 6回)
・C中隊 2個戦車中隊(増援はなし)
注意)BC中隊(計3個戦車中隊)作成のために既に9回の増援済み

最終結果は上記の様になり、これで部隊戦力の割り当てが決定しました。


時間(Time Available)


作戦遂行にあたって最も重要な項目は時間の設定なのですが、BK2ではRTS(リアルタイムストラテジー)の分野のゲームでありながら、ゲーム中に時刻の概念がありません。
その為、ゲーム中はミッションの終了までゲーム内時間の経過を気にせず進める事が出来ます。
よって、部隊の移動時間や小任務完了までの設定時間、同時攻撃や防御の同期といった時間に関わる要素は考慮されません。


行動方針


ここからは、実際に部隊をどのように行動させていくかを考えていきます。
手順は行動方針のパターン(戦法)をいくつか選出し、それに対して分析(ウォーゲーム)を行い、分析の結果判明した欠点部分を補完していきます。

行動方針のパターンをより詳細に決定していくに従って、分析(ウォーゲーム)もそのつど必要になるので、いつまで経っても終わらない無限ループの様な作業になる為、ここでは最初のおおまかな戦法に対して分析を行い、その中から最適な行動方針を採用し、部隊の行動を決めていきます。


行動方針の分析-ウォーゲーム


まずは、おおまかな戦法をいくつか上げてみます。

1.全部隊をどちらか1つの経路を使って前進させる
2.全部隊をどちらか1つの経路を使って前進させ、"PL ROMEO"から先は2つに分けて前進させる
3.部隊を2つに分けて各経路を前進させる
4.部隊を2つに分けて各経路を前進させ、"PL ROMEO"から先は合流しどちらか1つを前進させる
5.弾着観測部隊を町"BRAVO 06"へ空挺降下させ、空軍爆撃機により町を猛爆後、占領する

1.は全部隊をAOA101かAOA201のどちらか一方だけを使って前進させるもので、もう一方のルートを別案として保持する事が出来ます。
2.は1.の派生型で作戦実行中に1.からシフトする事が出来ます。
3.は部隊を2つに分けAOA101、AOA201の両ルートを前進させるものです。
4.は3.の派生型で作戦実行中に3.からシフトする事が出来ます。
5.は大胆不敵な縦深作戦ですが、ゲームの進行上決められた目標を順に達成しなければならないので、残念ながら不採用となります。

部隊を1つにして線で前進する場合と、2つの部隊に分けて面で前進する場合をそれぞれ分析すると、1部隊の場合は火力が増す分、背後に回りこまれて逆襲される可能性があります。
2部隊の場合は各部隊の火力が相対的に減りますが、お互いの背後をカバーしながら前進できる利点があります。
加えて前述したように、どちらか一方が"PL KILO"線を突破する事で、もう一方の敵軍の背後へ回り挟撃する事が可能になるので、より効果的な攻撃を仕掛ける事が出来ます。

これらの事から、今回は3.の「部隊を2つに分けて各経路を前進させる」戦法で作戦を実行する事にします。


行動方針の採用


次に、具体的な部隊の配置・行動プランを作成します。

自軍戦力の配分は「戦力の運用」の項目で前述しましたが、もう一度まとめると以下のようになります。

自軍戦力を3つに分けA中隊、B中隊、C中隊として編制します。
・A中隊はAOA101を前進する
・B中隊はAOA201を前進する
・C中隊は決勝部隊として最後まで控置する

各中隊の責任範囲は以下の通り。
・A中隊は、"PL ROMEO"のEA14地区を突破し"BRAVO 06"の西からの進入路を確保する
・B中隊は、"PL ROMEO"のEA23地区を突破し"BRAVO 06"の東からの進入路を確保する
・C中隊は、最終目標である"BRAVO 06"の町を強襲し制圧する

各中隊の戦力(初期戦力を含めた11個戦車中隊の配分。最大増援回数は30回)
・A中隊 6個戦車中隊(増援は5個戦車中隊。増援回数にすると15回)
・B中隊 3個戦車中隊(増援は2個戦車中隊。増援回数にすると 6回)
・C中隊 2個戦車中隊(増援はなし)
注意)BC中隊(計3個戦車中隊)作成のために既に9回の増援済み

それでは、実際に各中隊の行動方針を決めていきます。

まずはA中隊から。
作戦開始後、増援コマンドを使用してB中隊を編制している間にAOA101を前進し、EA01地区を制圧します。
ここを占領し、歩兵が塹壕陣地を構築する事で味方HQ(APの横に設営されている)への攻撃対策として逆EAを設定できます。
この場所は、今後の増援部隊の前進を助ける重要地点となります。
次にEA11を突破し、町"BRAVO 01"を制圧します。
"BRAVO 01"は左右に迂回できるルートがあるので、包囲作戦を展開する事が出来ます。
町には1個歩兵分隊程度を駐留させ、次にEA12を突破し町"BRAVO 03"を制圧します。
目標である「西にある砦を囲む要塞を制圧占領する」地点は"BRAVO 01"か"BRAVO 03"に存在すると思われるので、この2つの町を占領できた場合はEA13まで突破した後、防御陣地を構築しB中隊の進捗を確認します。
B中隊の状況が悪い場合は"PL KILO"線を使って敵の背後から挟撃し、問題ない場合はEA14を突破し町"BRAVO 06"への進入路を開きます。

次にB中隊。
増援コマンドで編制後、AOA201を前進し、EA21、町"BRAVO 02"、EA22を制圧します。
B中隊は戦力(増援回数)が少ないので、戦車中隊の増援を減らして空軍爆撃機の出撃を要請する必要があるかもしれません。
EA22を制圧したならばここに防御陣地を築き、次はEA23を突破し町"BRAVO 06"への進入路を開きます。

両中隊とも、先に"PL KILO"線を突破した方が町"BRAVO 04"を制圧する事とします。

最後にC中隊。
C中隊は中隊が"PL KILO"線を突破した後に編制され、AB中隊が突破した経路、どちらか一方または両方を使用して町"BRAVO 06"へ進入し、敵防衛部隊を強襲後、確実に町を制圧します。

各中隊への任務内容はアバウトな感じがしますが、目的だけを述べて実行手段は中隊が独自に決定します。(ゲームにおいてはプレイ中にそのつど考慮します)


以上で作戦計画立案は終了し、次はミッションを決められた手順に従い進行していく事になります。
結局最後まで目標についての正確な情報を得る事が出来ませんでしたが、ゲーム中に指示される次の目標の情報は事前に入手することが出来ないので、作戦中に新たな指示を受けた場合は、そのつど対応して行くしかなさそうです。


作戦の実行と考察(AAR)


ここでは、実際にミッションをスタートし作戦の進行を記録していきます。
戦闘後の反省点も絡め、要所ごとの部隊行動を考察してみます。

ちなみに、この作戦を記録した動画ファイルを作成したので、作戦の流れはそちらをご覧になって参考にして下さい。


【ゲーム動画】ブリッツクリーグ2(Blitzkrieg II) ドイツ軍第2章最終ミッション「帰郷」攻略レポート

状況
1942年6月ドイツ軍はアフリカ戦線においてトブルク侵攻作戦を開始した。
侵攻部隊は町の南部に集結し、敵の第1、第2防衛線を突破しなければならない。

目標
制圧しなければならない目標地点の情報をゲームスタート段階で知る事が出来ないので、終了後に作戦地図に記入する形となりました。

目標地点が記入された作戦地図


DELTA01からDELTA05までは目標達成ごとに順番に指示されます。

既存の作戦地図に目標地点を加えた図


背景を取り除き簡略化した作戦地図



戦闘地区単位でみる部隊行動

A中隊-「EA01、DELTA01」地区
 APを進発したA中隊は、DELTA01地点でもあるEA01へ部隊を前進させますが、APからEA01までの距離が予想以上に近く(玄関出て3秒で現場といった感じ)、隊列などを整える前に戦闘状態へ突入しました(笑)
戦車部隊で敵の防衛線を一気に突破し蹂躙する戦法を取りましたが、計画段階ではEA01は前哨基地程度の戦力と見積もっていた為、かなりしっかりと陣地を構築していた敵軍に多大の損害を受けました。
戦闘後から振り返ると、EA01制圧任務は事前に空軍機による制空権の確保と陣地猛爆を行い、戦力を弱体化させてから戦車部隊で蹂躙する定石通りの戦法の方が効果が高かったと思います。

DELTA01を制圧した段階で、新しくDELTA02の目標が指示されたのですが、この時同時に西の砂漠地帯からイタリア軍の援軍が大挙出現し、DELTA02のある"BRAVO 03"の町へ進軍を開始しました。
この援軍の件も想定外でしたが、イタリア軍と共闘し"BRAVO 03"の敵軍を挟撃する為に、同期を取ろうとA中隊の前進を急がせました。


A中隊-「EA11、"BRAVO 01"」地区
 次の目標のDELTA02の前には、EA11、"BRAVO 01"の地区が存在するので、A中隊は先にこの地区を制圧しなければなりませんでした。
前進したA中隊に対してEA11には敵影が無かったので、このまま"BRAVO 01"の制圧に移行します。
侵攻ルートをどうするか見てみると、AOA102aは"BRAVO 01"と"BRAVO 04"から挟撃される可能性があり、町を通過するルートは思った以上に路幅が狭かったので、部隊の展開のしやすいAOA102bを採用しました。
今度は判断が当たり、また、敵のこの地区への重要度は低いのか、戦力も僅かだったので簡単に制圧する事が出来ました。
イタリア軍の前進速度が速いので、警戒には最小限の部隊を残し、急いでDELTA02へ前進します。


B中隊-「EA21、"BRAVO 02"」地区
 一方、B中隊は部隊の編制後、EA21、"BRAVO 02"地区を制圧するためにAOA201を前進していました。
"BRAVO 02"には航空写真によって事前にトーチカの存在を確認していましたが、BK2ではまだ戦闘した経験が無かった為に、トーチカの戦闘能力に完全に翻弄されました。
B中隊の第1派攻撃はトーチカの前に失敗し部隊はほぼ壊滅。
上空待機中の空軍機による猛爆で何とかトーチカを破壊しますが、道路脇に設置されていたトーチカを見落とし、第2波攻撃部隊も壊滅させてしまいました・・・。

B中隊の戦力(援軍回数)は限界まで来たので前進不可能となり、B中隊はこのまま"BRAVO 02"の前で防御線を敷き、敵の逆襲部隊に備えます。

戦闘後から振り返ると、"BRAVO 02"制圧任務は最初から弾着観測員(この作戦では空挺部隊員がカモフラージュ能力を有す)だけを前進させ、空軍機による猛爆で一体を瓦礫の山に化した方が効果が高かったと思われます。
B中隊の停滞によって、A中隊がB中隊の支援の為に戦線を増やした事で、その後の全体の進軍速度が落ちたので、敵にとっては狙い通りの遅滞作戦が成功した事になります。


A中隊-「EA12、"BRAVO 03"、EA13」地区
 "BRAVO 01"を制圧したA中隊は急いでEA12、"BRAVO 03"地区へ前進しますが、イタリア軍の勢いが強く、既にDELTA02、DELTA03の目標は達成されてしまいました。
しかし、先を行くイタリア軍は敵の激しい逆襲によって壊滅した模様で、この地区に到着した時には敵も味方も居ない状態になっていました。
A中隊はこの時点で部隊の補充を急いで行い、その間に"BRAVO 03"に防御陣地を築きEA13を逆撃破地区として設定し、敵の奪回部隊を迎撃します。


A中隊-「AOA103b」地区
 司令部からDELTA04の制圧任務が入ってきたので、DELTA04とEA14を見下ろせるAOA103b上の丘に空挺部隊を降下させ、1個チームで2つのポイントを監視させる事にしました。
特殊部隊員(降下兵)はEA14で待ち伏せる敵の対戦車砲兵を狙撃するなど、地味ながらも効果の大きい行動を取り部隊の前進を助けます。


A中隊-「"BRAVO 04"」地区
 "PL KILO"線内の地域を全て支配下におく為に、A中隊は"BRAVO 04"及び"BRAVO 02"の制圧へ向けて、部隊を前進させます。
"BRAVO 04"は特殊部隊員(降下兵)によって事前に偵察が行われ、敵の戦力が僅かな事が判明しました。
特殊部隊による敵の対戦車砲の破壊を合図にA中隊は前進し、一気に"BRAVO 04"を制圧しました。


A中隊-「EA22、"BRAVO 02"」地区
 "BRAVO 04"を制圧したA中隊はそのままEA22、"BRAVO 02"へ前進し、敵の背後から強襲しました。
任務は成功し、B中隊が"BRAVO 02"へ前進しA中隊と合流を果たします。
B中隊はこのままここへ防御陣地を構築し、EA23方面から来る敵を迎撃します。


A中隊-「EA14」地区
 この時点で自軍の残り戦力を考慮し、AOA101、AOA201の両面で"BRAVO 06"の町への進入路を開く計画を変更し、A中隊によるAOA101への進軍だけに絞りました。
部隊を前進させると流石に最終迎撃地区だけあって敵の反撃が凄まじく、損害による作戦計画の支障が出てくると判断し、空軍へ爆撃要請を行いました。


A中隊-「"BRAVO 05"、DELTA04」地区
 "BRAVO 06"進入前にDELTA04制圧の指示が出ていたので、"BRAVO 05"の占領を行いました。
DELTA04任務達成後、またもやイタリア軍の援軍が到着し"BRAVO 06"へ前進していきます。
この援軍によりC中隊の出番は事実上無くなりました・・・(笑)


A中隊-「"BRAVO 06"、DELTA05、EA23」地区
 援軍のイタリア軍歩兵部隊がAI操作の為に勝手に前進を始めます。
A中隊は部隊の補充、態勢の立て直しをする間もなく、歩兵部隊支援の為に"BRAVO 06"へ慌てて前進します。
この段階で、"BRAVO 06"の町は完全に指揮統制が失われた混沌とした市街戦へと突入し、後はノリと勢いだけで前進していきました(笑)
町に駐留する敵軍を制圧しDELTA05を占領できたのは、たまたま運が良かっただけなのかも知れません・・・。

この市街戦では、コントロールの効かない援軍の歩兵部隊を支援する為に、何の計画も無しに自部隊を行動させた事が原因で、指揮統制が失われました。
「自部隊に関係しないものには我関せず」の精神で、例え援軍の歩兵が巻き込まれたとしても、最初の計画通り市街地を爆撃機で猛爆して敵の戦力を弱体化させ、自軍の歩兵と戦車の連携で建物一つ一つにCQBを行い、市街地を制圧して行った方が良かったのかもしれません。
しかし、”どんな状況でも自分の思い通りに事は進まない”という教訓を得るいい機会だったのは確かで、想定外の突発した状況に対して瞬時に最適な手を打っていく事の大事さを改めて実感しました。


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