ウォーゲーム「Islamic State Libya War」のソリテアAAR

ウォーゲーム「Islamic State Libya War」のソリテアAAR


はじめに

海外雑誌「COUNTERFACT」の005号に付録として入っている1人専用ウォーゲーム「Islamic State Libya War」をソリテアプレイした。この記事はその様子を記録したものである。このゲームは、2010年代後半のリビア国内におけるイスラミック・ステート(DAESH:ダーイシュ)と連合軍(アメリカ、NATO、EU、アラブの同盟国)との戦いを想定した仮想戦ウォーゲームである。プレイヤーは連合軍指揮官を担当し、ゲームシステムが敵を担当する。敵の行動はゲームルールの指示に従って必要なアクションを実行していくことで、1人でもプレイ可能なゲームになっている。ゲームの詳細については、yas_nakg氏のブログを参照していただきたい。日本語訳付きゲームの購入は「小さなウォーゲーム屋」さんで。(商品の在庫がないとショップ内検索をしても見つからないのでご注意ください)

ソークオフだよ人生は:「沼」に片足突っ込むとはどういうことか教えてくれる『Islamic State: The Coming Libya War』(2017年 02月 08日)

小さなウォーゲーム屋(PETIT WARGAME SHOP)

BGG:Islamic State: Libya War (2016)

それでは、ソリテアプレイの様子を簡単にまとめていく。

ゲームルールの決定

今回は、基本ルールのほかに選択ルール「9.5 DAESH指導者と人質の移動」を取り入れている。この選択ルールは、位置の特定ができたことでマップに出現した敵指導者や人質が、ターンの終わりのフェイズで再び地下へ潜伏する可能性の判定を含めたものになる。これにより、より迅速に指導者の捕獲または殺害と人質の救出を実行しなければ、貴重なチャンスを逃してしまうことになり、今どのアクション(部隊任務)を選択実行するのかの判断に難しい要素が加わることになる。(基本ルールでは出現した指導者と人質は、それ以降は時が止まったままなので、自分の都合の良いタイミングで対応できてしまう)。


状況設定(仮想戦)

2010年代後半、イスラム過激派とナショナリストによる内戦でリビアとチュニジアが崩壊した。イスラム過激派はリビアとチュニジアの大部分を支配下に置くとテロ攻撃を実施、多数の難民が南ヨーロッパに押し寄せた。プレイヤーは連合軍(アメリカ、NATO、EU、アラブの同盟国)を指揮し、リビア国内のイスラミック・ステート(DAESH)の影響を排除して、中部北アフリカを安定化させる任務を与えられた。


初期状況

初期配置図

写真の盤面を見ると、リビア国内の各地域の支配状況はマップ北東のTobrukエリア(有志連合側のトブルク政府がある)以外はすべてDAESH勢力の支配下となっている。展開している味方の兵力は、Tobrukエリアにリビア国民軍(LNA)の第27旅団(歩兵)と第17アルサイカ旅団(特殊部隊)がいて、都市部を防衛している。連合軍側のエジプト軍はマップ北東角の「El Salloum」エリア(エジプト領内)にて、第1野戦軍第2軍と第3軍隷下の各旅団が集結している。このあと、プレイヤーは6個以下のNATO及びアメリカ軍ユニットを選び、マップ北西に位置するチュニジア領のSfaxとGabesエリアに自由配置してゲーム開始となる。(チュニジアへの兵力配置は任意なので配置しなくても良い)


状況判断(METT-TC)

ゲームの前に状況判断を行い、盤面や情勢を把握する。勝利条件を理解し、敵勢力の把握、地形分析、自軍勢力の確認、時間の調整、ゲーム内での民事面の考慮を行う。状況判断の記録は連合軍側の視点に立って記載している。


任務分析(Mission)

連合軍指揮官を担当するプレイヤーに与えられた任務を状況設定の項目から選出すると以下のようになる。

・イスラミック・ステート(DAESH)の影響を排除する
・中部北アフリカ(リビア国内)を安定化させる

これらを達成するためにどのような作戦計画を立案するのか。まずは必要な情報を収集していく。

勝利条件の確認

このソリテアゲームは8ターンでゲーム終了となり、その時点でのDAESH側のVP(勝利ポイント)の値によってプレイヤーの勝敗が決まる仕組みになっている。具体的にはDAESHのVPが15を上回ればDAESHの勝利、15以下ならプレイヤーの勝利となり、引き分けはない。ゲーム中にDAESH側がVPを獲得する条件は以下のようになっている。

・連合軍部隊に損害を与える(3損害ポイントにつき1VPに変換。ゲーム後に集計する)
・人質の処刑につき1VPを得る
・コラテラル・ダメージにつき1VPを得る。
・第8ターン終了時に捕獲も死亡もしていないDAESH指導者1人につき1VPを得る
・DAESHが支配する「精油所/油田」エリア1つにつき1VPを得る

実はゲーム開始時の時点でDAESHは既に14VPを得ている。詳細は、支配している「精油所/油田」エリア8か所と指導者6名生存のためである。この状態から連合軍指揮官のプレイヤーがDAESHの勝利を阻む(DAESHのVPを下げる)ためにできる行動は以下の2点となる。

・「精油所/油田」エリア8か所の奪還
・DAESH指導者6名の捕獲または殺害

プレイヤーに与えられた任務は「イスラミック・ステート(DAESH)の影響を排除する」と「中部北アフリカ(リビア国内)を安定化させる」なのだが、勝利条件と対比させると、リビア国内の全27エリアを支配下においても「精油所/油田」エリア以外のエリアではVP獲得上のメリットが何もないことが分かる。ゲームデザインの趣旨を深読みするならば、各国が軍を派遣する目的は内戦で国民が犠牲になった可哀そうな国を救いに行くことではなく「精油所/油田」の利権のためである、と読み取ることができるだろう。しかしながら、連合軍指揮官の立場で要求された任務は「DAESHの影響力排除とリビアの安定化」であるため、ここではゲーム的に勝つために「精油所/油田」エリアだけを支配することはせず、リビア全土を支配下におくことを作戦の方針とする。なぜなら、ゲームルールにおいてエリアを支配下におくことでDAESH兵力は出現しなくなるからであり、全エリアを支配下におくことでDAESHの影響排除とリビアの安定化を達成することができるからである。

作戦の方針
1)リビア国内の全27エリアを連合軍の支配下におく
2)「精油所/油田」エリアは特に優先して支配下におく
3)DAESH指導者6名の特定を迅速に行い、捕獲または殺害により敵の影響力を排除する


敵戦力の推測(Enemy)

DAESHユニットの例

このゲームでは、敵の兵力は連合軍ユニットがDAESH支配下のエリアに侵入したときと、プレイヤーがDAESH側のアクションのためにチットを引いて該当するアクションを実行したときに出現するようになっている。ゲームルールによって、DAESHユニットの戦力はあまりにも低いため連合軍ユニットを戦闘で除去する(部隊を全滅させる)ことはできない。そのかわりに戦闘結果表のダイスの出目によって連合軍ユニットに損害ポイントを与えることができる。この損害ポイントをゲーム終了までに多く与えることでDAESHの獲得VPが増えていく仕組みになっている。つまり、プレイヤーは自軍のユニットが除去される心配はしなくてよいが、損害をできるだけ減らすように努めなければならない。

DAESH指導者の数:推定6名
DAESH勢力の戦力:勢力の規模は大きいが実数は不明。部隊は戦闘能力の低い者から熟練者まで様々な構成で編成されている。

敵部隊の兵力
・戦闘エリアが「重要目標」や「精油所/油田」のあるエリアの場合、5*DAESHユニットが出現する。
・戦闘エリアが市街地の場合、4*DAESHユニットが出現する。
 (市街地かつ「重要目標」や「精油所/油田」がある場合は、4個ではなく5個)
・戦闘エリアが砂漠の場合は、2*DAESHユニットが出現する。

敵部隊の装備
艦船、航空機、ヘリ、戦車、重砲といった大型兵器は確認されていない。以下の歩兵携行型火器の使用を主体に活動を行っている。
・AT(対戦車ロケットまたはミサイル):機甲、偵察(軽装甲)に有効な兵器
・AA(MANPAD対空兵器):支援航空機に有効な兵器
・IED(即席爆発物):歩兵(特殊部隊含む)、空挺、山岳、機械化歩兵に有効な兵器
・CIV(民間人=人間の盾):コラテラル・ダメージ発生に有効な手段
・小火器:特になし

次にルールブックに記載されているDAESHのVP獲得条件や敵アクションの種類から抽出した敵の可能行動を以下に列記する。

敵可能行動の予測

a)連合軍兵士へ与える損害(3損害ごとにDAESH+1VP)
b)脱出した連合軍パイロットの捕獲
c)西側のジャーナリストまたはNGOの誘拐
d)人質の処刑(DAESH+1VP)
e)コラテラル・ダメージを狙った攻撃(DAESH+1~2VP)
f)「精油所/油田」エリアの支配による影響(指定エリアごとにDAESH+1VP)
g)バチカンへの爆撃テロ(DAESH+1VP)
h)南ヨーロッパのツーリスト・リゾートへの自爆テロ(DAESH+1~2VP)
i)ローマ時代の遺跡レブティス・マグナの破壊行為(DAESH+1VP)
j)「Al Awaynat」エリア経由のスーダンからの武器密輸(戦闘時+1DRM)
k)「Matan As'Sarra」エリア経由のチャドからの武器密輸(戦闘時+1DRM)

内容的には、戦闘時に生じる連合軍兵士への損害レベルの話からバチカンへの爆撃テロといった政治レベルの問題まで様々な項目が存在することが分かる。これら11の項目にはそれぞれ対応策を用意しなければならないが、それについては行動方針の項で行う。ここでは作戦実行時における対応の優先度を決定し、後の行動方針の検討段階での判断要素になるよう準備をしておく。今回、優先度の決定にはアイゼンハワーマトリクスを用いた。これは「緊急/重要」のマトリクスに沿って項目を当てはめるものである。

アイゼンハワーマトリクスを使った敵可能行動の対応優先度の割り当て
1)緊急かつ重要(割り込みをしてでも緊急対応する項目)
 b),d)
2)緊急だが重要ではない(常時稼働して対応している項目)
 f),h),g),i),
3)緊急ではないが重要(何らかの追加対応が必要な項目)
 a),e),j),k),c)
4)緊急でも重要でもない(対応の必要なし)
 N/A

今回、私は「脱出した連合軍パイロットの救出」を最優先の対応に割り当てた。「人質救出作戦」は2番目の優先度となる。これら2項目が発生した場合は、通常の作戦を継続しながらも割り込みで緊急対応する。(ゲームにおいては、予定していたアクションを延期し救出アクションを優先実行する)


地形判断(Terrain & Weather)

分析後のマップ

移動の原則(ゲームルール)

このゲームでは1回の移動アクションで、今いるエリアから道路で接続する隣のエリアへ1歩だけ移動させることができる。ただし、連合軍支配下エリア内だけを移動する場合は、3エリア先まで移動できる。

「Go/No-Go」分析

ここでは盤面を参照し、「Go/No-Go」分析を行い進入可能地形と進入不可地形を明確にする。

盤面を見るとリビア国内は27のエリアで分かれていることが分かる。それぞれのエリアは道路によって接続されていて、地上ユニットは道路を経由して隣のエリアへ移動することができる。航空機とドローン、特殊部隊と空挺部隊は連合軍保管ボックスからどのエリアへでも移動することができる。また、リビア国外へ接続する道路が国内エリアから国外へ伸びているが、ゲームにおいて使用できるのは、チュニジア領のSfaxとGabesエリアとリビアのSabrathaエリアを接続する道路と、エジプト領のEl SalloumエリアとリビアのTobrukエリアを接続する道路だけである。

進入可能地形
・リビア国内の27のエリア
・マップ北西部のチュニジア領SfaxとGabesエリア
・マップ北東部のエジプト領El Salloumエリア

進入不可地形
・マップ北部の地中海(上陸作戦アクション以外では進入できない)
・マップ西部のALGERIAへ通じる道路とALGERIA領
・マップ南部のNIGER領
・マップ南部のCHADへ通じる道路とCHAD領
・マップ南部のSUDANへ通じる道路とSUDAN領

緊要地区の算出

ゲームの勝利条件に影響する「精油所/油田」エリアが緊要地区となる。マップを見るとほかにも"Key Objective"に設定されているエリアがあるのだが、こちらは勝利条件には一切影響せず全く意味をなしていない。このエリアの支配状況の割合(14か所のうち何か所を支配できたのか)は、ゲーム後の評価の一つとして利用しようと考えている。

勝利条件に影響する「精油所/油田」エリア9か所の一覧
OBJ01(Adiri)
OBJ02(Murzuj)
OBJ03(Maradah)
OBJ04(Ra's Lanuf)
OBJ05(Sarir)
OBJ06(Awjilah)
OBJ07(Tripoli)
OBJ08(Benghazi)
OBJ09(Tobruk)

勝利条件には影響しないが"Key Objective"に設定されているエリア14か所の一覧
・Ghadames
・Ghat
・Tripoli
・Misratah
・Ra's Lanuf
・Benghazi
・Maradah
・Jebel Akhdar
・Awjilah
・Derna
・Sarir
・Al Kufrah
・Ma'tan as Sarra
・Al Awaynat

自軍接近経路選出(AOA)

連合軍が利用できるリビア国外から国内への侵攻経路は以下の4つがある。

1)マップ北西部のチュニジア領SfaxとGabesエリアからリビアのSabrathaエリアへ侵攻する経路
2)マップ北東部のエジプト領El SalloumエリアからリビアのTobrukエリアへ侵攻する経路
3)マップ南東部のエジプト領地からリビアのAl Awaynatエリアへ侵攻する経路
4)マップ北部の地中海から上陸作戦アクションで沿岸部のエリアへ侵攻する経路

これらの利用可能な侵攻経路を見ると、東西南北のほぼ全方位から部隊を侵攻させDAESH勢力を包囲する作戦が実行可能なことが分かる。具体的な計画については行動方針の項で検討する。

敵軍接近経路選出(AEA)

今回、ゲームシステムの仕様により敵部隊の移動行為がないのでAEAの選出は省略する。
同じ理由で敵の伏撃や防御陣地もないため、自軍の移動経路に対する敵軍の撃破地区(EA)の推測も行わない。
地形判断の項では、マップを参照し地形を分析することで緊要地区の位置特定とリビア国内への侵攻経路が判明した。結果、緊要地区の数が多くそこへ行くまでの移動経路も多岐にわたるため効果的なAOAの選出ができない。よって、次の項の部隊と支援で全方位から部隊を侵攻させる作戦に適した部隊編成を行い、作戦計画の項で各部隊の戦力から導いた移動経路の検討を行っていく。


部隊と支援(Troops and support available)

連合軍ユニットの例

自軍戦力の把握

ゲームに登場する連合軍ユニットの一覧は以下のようになっている。項目は、「ユニットのID、部隊名、ゲーム上での兵科、参考リンク」となる。リストはNATO軍、US軍、LNA(リビア国民軍)、エジプト軍の順に記載している。

<NATO>
「イギリス」
[SAS] 第22SAS連隊(特殊空挺部隊) 特殊部隊 LINK
[1 Arm] 第1機甲旅団 機械化歩兵 LINK
[12 Arm] 第12機甲旅団 機械化歩兵 LINK 
[16 AA] 第16空中強襲旅団(第16空中突撃旅団) 空挺 LINK

「フランス」
[9 BIMA] 第9海兵旅団 歩兵 LINK
[11 P] 第11落下傘旅団(第11空挺旅団) 空挺 LINK
[3 BLB] 第3軽機甲旅団 偵察
[6 BLB] 第6軽機甲旅団(軽装甲装輪車両化歩兵部隊) 偵察 LINK
[13 DBLE] 第13外人准旅団(機械化歩兵准旅団) 機械化歩兵 LINK

「イタリア」
[3 Be]  第3ベルサリエーリ連隊 機械化歩兵 LINK
[8 Be]  第8ベルサリエーリ連隊 機械化歩兵 LINK
[Sa] サッサリ旅団 機械化歩兵 LINK
[La] ラグナリ連隊(強襲揚陸連隊) 歩兵

「スペイン」
[6 Alm] 第6落下傘軽歩兵旅団(第6アルモガバルス空挺旅団)空挺 LINK
[7 Gal] 第7空中機動軽歩兵旅団(第7ガリシア軽歩兵旅団) 偵察 LINK

「ドイツ」
[KG233] 第233山岳軽歩兵戦闘団 山岳 LINK

「その他」
[MN]  多国籍旅団 機械化歩兵 (バルト諸国、デンマーク、ポルトガルなど)


<US>

「第3軍団」
[2/1] 第1歩兵師団第2旅団戦闘団 機械化歩兵 LINK
「第18空挺軍団」
[1/3] 第3歩兵師団第1旅団戦闘団 機甲 LINK
[2/3] 第3歩兵師団第2旅団戦闘団(軽歩兵) 偵察 LINK
[3/3] 第3歩兵師団第3旅団戦闘団 機甲 LINK
[1/82] 第82空挺師団(第82師団)第1旅団戦闘団 空挺 LINK
[2/82] 第82空挺師団(第82師団)第2旅団戦闘団 空挺 LINK
[1/101] 第101空挺師団(第101空中突撃師団)第1旅団戦闘団 空挺 LINK
[2/101] 第101空挺師団(第101空中突撃師団)第2旅団戦闘団 空挺 LINK
[3/101] 第101空挺師団(第101空中突撃師団)第3旅団戦闘団 空挺 LINK

「アメリカ欧州陸軍直属」
[2 Stryker] 第2ストライカー騎兵連隊(SBCT:旅団戦闘団相当) 機械化歩兵 LINK
[173] 第173空挺旅団戦闘団 空挺 LINK

「アメリカ特殊作戦軍」
[DF] 第1特殊部隊デルタ作戦分遣隊(デルタフォース) 特殊部隊 LINK
[NWU 10] 海軍特殊戦グループ10(第10海軍特別戦闘部隊:ISR=情報・監視・偵察担当) 特殊部隊 LINK

「第2海兵遠征軍直属(アメリカアフリカ軍指揮下)」
[8 PM] 第2海兵師団第8海兵連隊 特別目的海兵空地任務部隊(SPMAGTF) 特殊部隊 LINK

「?」
[SPO] special-ops forces(空軍PJか?) 特殊部隊


<リビア国民軍(LNA)>
[27] 第27旅団(英による訓練) 歩兵
[17] 第17Al-saiqa(アルサイカ:雷)旅団(英による訓練:特殊部隊) 歩兵 LINK


<エジプト軍> LINK

「第1野戦軍第2軍」
[6] 第6機械化歩兵師団 機械化歩兵
[18] 第18独立機甲旅団 機甲
[218] 第218独立歩兵旅団 歩兵
[129] 第129Sa'ka Forces(アル-サイカ)特殊作戦連隊  特殊部隊 LINK

「第1野戦軍第3軍」
[8] 第8機械化歩兵師団 機械化歩兵
[36] 第36独立機甲旅団 機甲
[222] 第222空中機動旅団 空挺

それでは、このユニットたちを部隊編成していく。地形判断の項でリビア国外から国内への侵攻経路は4つあることが判明したので、ここではおおまかに部隊を4つのグループに分ける。そのうちの一つはマップ東側から侵攻するエジプト軍なので、残りの部隊を残り3つのグループに割り当てた。

・第1グループ(アメリカ軍)
・第2グループ(イギリス及び多国籍軍)
・第3グループ(フランス軍とイタリア軍)
・第4グループ(エジプト軍)

第1グループ(アメリカ軍)
11ユニット(2*機甲、2*機械化歩兵、1*偵察、6*空挺)
「第3軍団」
[2/1] 第1歩兵師団第2旅団戦闘団 機械化歩兵
「第18空挺軍団」
[1/3] 第3歩兵師団第1旅団戦闘団 機甲
[2/3] 第3歩兵師団第2旅団戦闘団(軽歩兵) 偵察
[3/3] 第3歩兵師団第3旅団戦闘団 機甲
[1/82] 第82空挺師団(第82師団)第1旅団戦闘団 空挺
[2/82] 第82空挺師団(第82師団)第2旅団戦闘団 空挺
[1/101] 第101空挺師団(第101空中突撃師団)第1旅団戦闘団 空挺
[2/101] 第101空挺師団(第101空中突撃師団)第2旅団戦闘団 空挺
[3/101] 第101空挺師団(第101空中突撃師団)第3旅団戦闘団 空挺
「アメリカ欧州陸軍直属」
[2 Stryker] 第2ストライカー騎兵連隊(SBCT:旅団戦闘団相当) 機械化歩兵
[173] 第173空挺旅団戦闘団 空挺

第2グループ(イギリス軍主導の多国籍軍)
7ユニット(3*機械化歩兵、1*歩兵(山岳)、1*偵察、2*空挺)
「イギリス」
[1 Arm] 第1機甲旅団 機械化歩兵
[12 Arm] 第12機甲旅団 機械化歩兵
[16 AA] 第16空中強襲旅団(第16空中突撃旅団) 空挺
「スペイン」
[6 Alm] 第6落下傘軽歩兵旅団(第6アルモガバルス空挺旅団)空挺
[7 Gal] 第7空中機動軽歩兵旅団(第7ガリシア軽歩兵旅団) 偵察
「ドイツ」
[KG233] 第233山岳軽歩兵戦闘団 山岳
「その他」
[MN]  多国籍旅団 機械化歩兵 (バルト諸国、デンマーク、ポルトガルなど)

第3グループ(フランス軍とイタリア軍)
9ユニット(4*機械化歩兵、2*歩兵(海兵)、2*偵察、1*空挺)
「フランス」
[9 BIMA] 第9海兵旅団 歩兵
[11 P] 第11落下傘旅団(第11空挺旅団) 空挺
[3 BLB] 第3軽機甲旅団 偵察  
[6 BLB] 第6軽機甲旅団(軽装甲装輪車両化歩兵部隊) 偵察
[13 DBLE] 第13外人准旅団(機械化歩兵准旅団) 機械化歩兵
「イタリア」
[3 Be]  第3ベルサリエーリ連隊 機械化歩兵
[8 Be]  第8ベルサリエーリ連隊 機械化歩兵
[Sa] サッサリ旅団 機械化歩兵
[La] ラグナリ連隊(強襲揚陸連隊) 歩兵

第4グループ(エジプト軍)
7ユニット(2*機甲、2*機械化歩兵、1*歩兵、1*空挺、1*特殊部隊)
「第1野戦軍第2軍」
[6] 第6機械化歩兵師団 機械化歩兵
[18] 第18独立機甲旅団 機甲
[218] 第218独立歩兵旅団 歩兵
[129] 第129Sa'ka Forces(アル-サイカ)特殊作戦連隊  特殊部隊
「第1野戦軍第3軍」
[8] 第8機械化歩兵師団 機械化歩兵
[36] 第36独立機甲旅団 機甲
[222] 第222空中機動旅団 空挺

正規軍とは別に人質救出や敵指導者の捕獲などを専門に行う特殊部隊を第5グループに割り当てた。特殊部隊は基本的にマップ上に展開して地上戦を行うことはせずに、連合軍保管ボックス(基地)にて待機し特殊任務ごとに出撃して帰還する形式となる。

第5グループ(特殊部隊)
5ユニット(2*強襲、1*偵察、1*人質救出、1*CSAR)
「イギリス」
[SAS] 第22SAS連隊(特殊空挺部隊) 特殊部隊
「アメリカ特殊作戦軍」
[DF] 第1特殊部隊デルタ作戦分遣隊(デルタフォース) 特殊部隊
[NWU 10] 海軍特殊戦グループ10(第10海軍特別戦闘部隊:ISR=情報・監視・偵察担当) 特殊部隊
「第2海兵遠征軍直属(アメリカアフリカ軍指揮下)」
[8 PM] 第2海兵師団第8海兵連隊 特別目的海兵空地任務部隊(SPMAGTF) 特殊部隊
「?」
[SPO] special-ops forces(空軍PJか?) 特殊部隊

4つの正規軍グループは、1ユニットが旅団戦闘団程度の戦力を表し、それらが集まって2個から3個師団程度の規模となり、それぞれが割り当てられた移動経路を侵攻するように構成されている。各グループが具体的にどのような行動を取っていくのかは作戦計画の項で検討する。

支援について

このゲームでは連合軍は空爆、ドローン攻撃、砲兵の3つの支援攻撃が行えるようになっている。ターン毎に実行できる回数は支援マーカーの数による。例えば、航空機マーカーが3個の場合は1ターンに3回までしか空爆が使用できないので、どの場面で使用するかの判断が必要になる。基本ルールではエジプト軍とLNAの支援マーカーはそれぞれ自国軍ユニットに対してのみ支援できるのだが、今回は、アメリカ軍とNATO軍も同じくそれぞれ自国軍に対してのみ支援できる運用ルールを設ける。

支援マーカーの一覧
アメリカ軍 (5*航空機、2*ドローン、2*砲兵)
NATO軍   (3*航空機、1*ドローン、3*砲兵)
エジプト軍 (3*航空機、2*砲兵)
LNA     (1*航空機、1*砲兵)

部隊と支援の項では自軍戦力の把握を行い、4つの侵攻ルートに対応した4つのグループを編成した。これにより大まかな戦力が導けたので、行動方針の項で具体的な計画を検討することができるようになった。次は、行動方針の検討の前に、時間について注意事項を抽出し必要なら調整を行う。


時間(Time Available)

作戦の実行時間内において、準備や攻撃のタイミングを合わせるといった同期を取る必要がある場合は、予め関係部門との時間の調整を行っておく。ゲームの場合は一人の人間が全ての操作を行うことが多いので、時間の管理は作戦計画時の予定時刻(ターン数)と実際の進行状況を対比させて、判断したり評価するのに用いることができる。

ゲームの手順は以下のようになっている。

 1.アクションフェイズ
  連合軍(先攻)とDAESHが交互にアクションを5回繰り返す。
  その後、ダイスを振り判定によっては、あと1回アクションが増える。
 2.ターン終了フェイズ
  2.1) 捕獲DAESH指導者判定(8.4参照)
  2.2) 人質及び脱出パイロット判定(8.3参照)
  2.3) LNA地域旅団判定(5.2参照)
  2.4) DAESH指導者と人質の移動(選択ルール9.5参照)
  2.5) DAESH戦闘ユニットをOPFORビンに戻す
 次のターンへ移行する(8ターン後にゲーム終了となる)。

このゲームは1ターンが半週に相当する。2ターンで1週間となり、ゲームは8ターン後に終了なので4週間規模の軍事作戦を想定している。1ターンが3.5日ということは時間に換算すれば84時間であり、これを5アクションで割れば1アクションあたり17時間程度の部隊任務を実行していることが分かる。ゲームルールによってすべての部隊が同時進行で活動することはできないので、”1アクションごとに1グループが1任務を実行する”ことを敵味方交互に1回ずつアクションを行っていく。なので、1つのグループが連続して5回アクションをしてしまうと、ゲーム上では3.5日間の間、他の部隊が一切の行動を停止してしまうという状態になってしまう。この規模の軍事作戦でこのような状態は考えられないので、運用ルールとして、”1ターンの間に1グループは1回だけアクションを実行することができる”ということにする。これにより、5つのアクションをどのグループに割り当てるのかを、行動方針の優先度によって予め計画しておくことができる。

実行可能時間をゲームのアクション回数で表すと、1ターン5回の全8ターンなので、プレイヤーはゲーム終了までに40アクションを実行することができる。(ダイス判定次第では追加でターン毎に+1回アクションが増えるので、最大48アクションを実行することができる)。これは、言い方を変えるとプレイヤーは40手(アクション)で最大の効果を出さなければならないことを意味する。なので、そのためにはどうするか作戦計画を練るわけだが、ゲーム的には残りターン数と残りアクション回数で時間を考慮したほうが分かりやすいので、ここでもその方法で時間の調整を行っていく。詳細は行動方針の項目で扱う。


民事考慮事項(Civil Consideration)

今回、ゲームの舞台が現代戦となっているため、状況判断もMETT-TではなくMETT-TCへ変更し、民事考慮事項(Civil Consideration)の項目を追加した。このゲームでは連合軍がCIVマークの付いたDAESHユニットと戦闘する場合と、ドローンまたは空爆マーカーを使って目標殺害アクションでDAESH指導者を狙った場合に、コラテラル・ダメージ(戦闘時に民間人が被害を受ける状況とそれを知った世論からの評判悪化)が発生する可能性がある。ダメージが発生した場合は、死亡した民間人の映像がインターネットに流出し、即座にDAESHのVP獲得となる。よって、コラテラル・ダメージを抑えるための何らかの運用ルールが必要になる。次の「コラテラル・ダメージ用交戦規定」は今回の作戦のために作成したもので、設定したステージ以上の項目は使用禁止となる。例えば、ステージ7ならば何の制限もないが、ステージ5に移行すると、”市街地での目標殺害アクションの禁止”と”全エリアでの目標殺害アクションの禁止”が連合軍内の全軍に適用される。この交戦規定の適用をゲーム的に自動化するかプレイヤーの判断に任せるかに関しては、今回はプレイヤー判断として様子をみる。

コラテラル・ダメージ用交戦規定
7)制限項目なし
6)市街地での目標殺害アクションの禁止(空爆、ドローン)
 抑制:コラテラル・ダメージ判定必須(市街地により+1DRM)
5)全エリアでの目標殺害アクションの禁止(空爆、ドローン)
 抑制:コラテラル・ダメージ判定必須
4)砲爆撃アクションの禁止(空爆、砲兵)
 抑制:対象がCIV付きDAESHユニットの場合にコラテラル・ダメージ判定必須(メディア+1DRM)
3)地上戦での支援マーカーの使用禁止(空爆、ドローン、砲兵)
 抑制:戦闘時にCIV付きDAESHユニットが出現した場合にコラテラル・ダメージ判定(メディア+1DRM)
2)正規軍による地上戦の禁止
 抑制:戦闘時にCIV付きDAESHユニットが出現した場合にコラテラル・ダメージ判定(メディア+1DRM)
1)全軍による戦闘行為の禁止
 抑制:戦闘時にCIV付きDAESHユニットが出現した場合にコラテラル・ダメージ判定(メディア+1DRM)


意思決定(Military Decision Making Process)

行動方針(Course Of Action)

状況判断を元に連合軍の具体的な行動方針を決定する。手順は行動方針のパターン(戦法)をいくつか発案し、それに対して分析(ウォーゲーム)を行い、分析の結果判明した欠点部分を補完していく。

敵可能行動への対応

敵戦力の推測の項でリスト化した敵可能行動への具体的な対応方法を検討する。

a)連合軍兵士へ与える損害(3損害ごとにDAESH+1VP)[緊急ではないが重要]
戦闘で生き残ったDAESHユニットが反撃することで損害を受けるリスクが発生するので、戦闘時はできるだけ火力を増やしDAESHユニットを確実に除去できる状況を作る。

b)脱出した連合軍パイロットの捕獲[緊急かつ重要]
ターン終了フェイズにDAESH側に捕獲されるリスクがあるので、最優先で救出任務を実行する。
アクションフェイズの最終ラウンドに撃墜されると救出任務が実行不可能になるので、ラウンド後半の空爆の使用はリスクをよく検討すること。

c)西側のジャーナリストまたはNGOの誘拐[緊急ではないが重要]
これに関してはゲームルール上の対応の手段がないため考慮しない。

d)人質の処刑(DAESH+1VP)[緊急かつ重要]
潜伏している人質(誘拐された人物と捕獲された脱出パイロット)の処刑に対抗する手段はない。
ターン終了フェイズにDAESH側に処刑されるリスクがあるので、位置が特定できたら最優先で人質救出任務を実行する。

e)コラテラル・ダメージを狙った攻撃(DAESH+1~2VP)[緊急ではないが重要]
「コラテラル・ダメージ用交戦規定」のステージコントロールを行い、ダメージの発生要因をできるだけ減らすように全軍を指揮統制する。

f)「精油所/油田」エリアの支配による影響(指定エリアごとにDAESH+1VP)[緊急だが重要ではない]
全軍の侵攻ルートはこのエリアを優先して移動経路を策定する。

g)バチカンへの爆撃テロ(DAESH+1VP)[緊急だが重要ではない]
地中海沿岸部のエリアがDAESH支配下にあると発生するリスクがある。全軍の侵攻ルート策定時に地中海沿岸部を優先する。

h)南ヨーロッパのツーリスト・リゾートへの自爆テロ(DAESH+1~2VP)[緊急だが重要ではない]
地中海沿岸部のエリアがDAESH支配下にあると発生するリスクがある。全軍の侵攻ルート策定時に地中海沿岸部を優先する。

i)ローマ時代の遺跡レブティス・マグナの破壊行為(DAESH+1VP)[緊急だが重要ではない]
地中海沿岸部の「Misratah」と「Tripoli」エリアがDAESH支配下にあると発生するリスクがある。全軍の侵攻ルート策定時に地中海沿岸部を優先する。

j)「Al Awaynat」エリア経由のスーダンからの武器密輸(戦闘時+1DRM)[緊急ではないが重要]
国境エリアがDAESH支配下にあると武器密輸が行われ、戦闘時に連合軍兵士が受ける損害が大きくなることで、DAESHがVPを獲得してしまう。全軍の侵攻ルート策定時にマップ南東部の支配を優先するよう調整する。

k)「Matan As'Sarra」エリア経由のチャドからの武器密輸(戦闘時+1DRM)[緊急ではないが重要]
国境エリアがDAESH支配下にあると武器密輸が行われ、戦闘時に連合軍兵士が受ける損害が大きくなることで、DAESHがVPを獲得してしまう。全軍の侵攻ルート策定時にマップ南東部の支配を優先するよう調整する。

敵可能行動への対応策を分類すると2つに分けられる。作戦計画段階では、「侵攻経路」「自軍グループの部隊戦力」「2)作戦計画時に対応する項目」の3つを使って行動プランを検討していく。

1)作戦実行中に対応する項目
b)脱出した連合軍パイロットの捕獲[緊急かつ重要]
d)人質の処刑(DAESH+1VP)[緊急かつ重要]
a)連合軍兵士へ与える損害(3損害ごとにDAESH+1VP)[緊急ではないが重要]
e)コラテラル・ダメージを狙った攻撃(DAESH+1~2VP)[緊急ではないが重要]
c)西側のジャーナリストまたはNGOの誘拐[緊急ではないが重要]

2)作戦計画時に対応する項目
f)「精油所/油田」エリアの支配による影響(指定エリアごとにDAESH+1VP)[緊急だが重要ではない]
g)バチカンへの爆撃テロ(DAESH+1VP)[緊急だが重要ではない]
h)南ヨーロッパのツーリスト・リゾートへの自爆テロ(DAESH+1~2VP)[緊急だが重要ではない]
i)ローマ時代の遺跡レブティス・マグナの破壊行為(DAESH+1VP)[緊急だが重要ではない]
j)「Al Awaynat」エリア経由のスーダンからの武器密輸(戦闘時+1DRM)[緊急ではないが重要]
k)「Matan As'Sarra」エリア経由のチャドからの武器密輸(戦闘時+1DRM)[緊急ではないが重要]

行動方針の発案(COA Development)

まずは、これまでの情報をまとめてみる。

任務分析の項で決定した「作戦の方針」は以下のとおりである。
1)リビア国内の全27エリアを連合軍の支配下におく
2)「精油所/油田」エリアは特に優先して支配下におく
3)DAESH指導者6名の特定を迅速に行い、捕獲または殺害により敵の影響力を排除する

勝利条件に影響する「精油所/油田」エリア9か所の一覧。
OBJ01(Adiri)
OBJ02(Murzuj)
OBJ03(Maradah)
OBJ04(Ra's Lanuf)
OBJ05(Sarir)
OBJ06(Awjilah)
OBJ07(Tripoli)
OBJ08(Benghazi)
OBJ09(Tobruk)

自軍の侵攻経路は4つである。
1)マップ北西部のチュニジア領SfaxとGabesエリアからリビアのSabrathaエリアへ侵攻する経路
2)マップ北東部のエジプト領El SalloumエリアからリビアのTobrukエリアへ侵攻する経路
3)マップ南東部のエジプト領地からリビアのAl Awaynatエリアへ侵攻する経路
4)マップ北部の地中海から上陸作戦アクションで沿岸部のエリアへ侵攻する経路

自軍を侵攻経路を利用する4つの正規軍グループと、特殊任務専用の特殊部隊グループの5つに大きく分けた。
・第1グループ(アメリカ軍)
・第2グループ(イギリス及び多国籍軍)
・第3グループ(フランス軍とイタリア軍)
・第4グループ(エジプト軍)
・第5グループ(特殊部隊)

作戦計画時に検討する敵可能行動への対応は以下となる。
f)「精油所/油田」エリアの支配による影響(指定エリアごとにDAESH+1VP)[緊急だが重要ではない]
g)バチカンへの爆撃テロ(DAESH+1VP)[緊急だが重要ではない]
h)南ヨーロッパのツーリスト・リゾートへの自爆テロ(DAESH+1~2VP)[緊急だが重要ではない]
i)ローマ時代の遺跡レブティス・マグナの破壊行為(DAESH+1VP)[緊急だが重要ではない]
j)「Al Awaynat」エリア経由のスーダンからの武器密輸(戦闘時+1DRM)[緊急ではないが重要]
k)「Matan As'Sarra」エリア経由のチャドからの武器密輸(戦闘時+1DRM)[緊急ではないが重要]

それでは、今回の作戦を立案するにあたりどのような戦法が考えられるだろうか。敵可能行動への対応を考慮しながらいくつかの戦法を発案する。

1)上陸作戦アクションを使って地中海沿岸部エリア9か所を最速で占領支配する上陸作戦
2)ヘリボーン突撃アクションを使って「精油所/油田」エリア8か所を最速で占領支配する空挺作戦
3)地上軍を全方位から侵攻させ、各エリアを支配下におきながらDAESHを包囲壊滅していく包囲作戦

行動方針の分析(COA Analysis & Comparison : Wargaming)

発案した3つの戦法に対してそれぞれ比較検討を行う。

1)上陸作戦アクションを使って地中海沿岸部エリア9か所を最速で占領支配する上陸作戦
この案はヨーロッパ諸国へのテロ行為の阻止を最優先事項に設定したもので、地中海沿岸部エリアを最速で支配下に治めることを目標にしている。ゲームにおいては、エリア9か所ということで最短9アクションで達成可能な任務となっている。基本ルールでは、上陸作戦アクションを使用する場合、5個以下の連合軍ユニットを上陸させることができるようになっている。5個の旅団戦闘団クラスの部隊が一気に上陸できることを考えると、設備の整った大きな港を使用しているのだろうと想像できるが、その場合は先に空挺降下などで港エリアを占領し支配下においているはずである。そのような表現をゲーム中に運用ルールを使って再現するならば、エリア9か所の占領支配には空挺降下と上陸のセットで18アクションが必要になるだろう。この場合、地中海沿岸部エリア9か所すべてを上陸作戦で支配下におくのは時間がかかるのが分かる。

2)ヘリボーン突撃アクションを使って「精油所/油田」エリア8か所を最速で占領支配する空挺作戦
この案は勝利条件に直結する「精油所/油田」エリアの支配を最優先事項に設定したもので、「精油所/油田」エリアを最速で支配下に治めることを目標にしている。ゲームにおいては、エリア8か所ということで最短8アクションで達成可能な任務となっている。基本ルールでは、ヘリボーン突撃アクションを使用する場合、1個以上の連合軍ユニット(空挺、空中突撃、特殊部隊のみ)を、DAESH支配下の任意のエリアに移動させることができるようになっている。だが、現実的に考えると、あくまでもヘリボーン突撃なので1個戦闘旅団規模の長期間の戦闘継続は補給が得られないため不可能とみるべきである。そこで、ゲーム中に運用ルールを使って、隣接の自軍支配下エリアと接続していれば地上部隊から補給を継続して受けているという表現にしたい。この場合、移動できるエリアは自軍支配下エリアの1歩先までであり、地上部隊の前進がなければヘリボーン突撃の運用も効果が低いことが分かる。

3)地上軍を全方位から侵攻させ、各エリアを支配下におきながらDAESHを包囲壊滅していく包囲作戦
この案は正規軍が主導となり地上戦によって順々にエリアを支配することでDAESHの影響力を排除していくことを目標にしている。全エリア27個か所の支配には最短27アクションで達成可能な任務となっている。もっとも基本的な戦法だが、一番の難点は時間がかかることだろう。全40アクション中に27アクションをエリア支配のために使用すると、残り13アクションで緊急対応や部隊の配置転換(自軍エリア内移動)などを行わなければならず、特殊任務が続けば何かを取り捨て選択する状況に陥るだろう。

行動方針の決定(COA Approval)

今回は行動方針の分析の結果、3番の包囲作戦の採用を決心した。

採用した作戦
・3)地上軍を全方位から侵攻させ、各エリアを支配下におきながらDAESHを包囲壊滅していく包囲作戦


作戦計画(Operations Plan)

決定した行動方針に基づいて具体的な部隊の配置、行動プランを作成していく。

担当区域の決定

リビア国内のエリアを5つの区域で分割した。もっとも広い西側の区域は第1グループ(アメリカ軍)の担当とした。2番目に大きい南部の区域は第2グループ(イギリス及び多国籍軍)の担当とする。地中海沿岸北東部のエリアを2つに分け、第3グループ(フランス軍)と第4グループ(イタリア軍)の担当とした。エジプト領に隣接する東部の区域を第5グループ(エジプト軍)の担当に割り当てた。

担当区域の決定

自軍戦力を6つに分けてそれぞれをグループとして編成し担当区域を決定する。
・第1グループ(アメリカ軍)はマップ北西部のチュニジア領GabesエリアからリビアのSabrathaエリアへ侵攻する
・第2グループ(イギリス及び多国籍軍)はマップ南東部のエジプト領地からリビアのAl Awaynatエリアへ侵攻する
・第3グループ(フランス軍)はマップ北部の地中海から上陸作戦アクションで沿岸部のRa's Lanufエリアへ侵攻する
・第4グループ(イタリア軍)はマップ北部の地中海から上陸作戦アクションで沿岸部のBenghaziエリアへ侵攻する
・第5グループ(エジプト軍)はマップ北東部のエジプト領El SalloumエリアからリビアのTobrukエリアへ侵攻する
・第6グループ(特殊部隊)は連合軍保管ボックス(基地)にて待機し特殊任務ごとに出撃して帰還する

各正規軍グループの責任範囲は以下の通り。
・第1グループ(アメリカ軍)はAOA_US_01からAOA_US_13まで前進し全てのエリアを支配する
・第2グループ(イギリス及び多国籍軍)はAOA_GB_01からAOA_GB_05まで前進し全てのエリアを支配する
・第3グループ(フランス軍)はAOA_FRA_01からAOA_FRA_03まで前進し全てのエリアを支配する
・第4グループ(イタリア軍)はAOA_ITA_01からAOA_ITA_03まで前進し全てのエリアを支配する
・第5グループ(エジプト軍)はAOA_EGY_01からAOA_EGY_03まで前進し全てのエリアを支配する

作戦図:全軍の移動経路

背景を取り除き簡略化した作戦図

第1グループ(アメリカ軍)はこの作戦の最大戦力を誇るグループであり、マップ北西部のチュニジア領から侵攻して最大限の前進を行う。担当するエリアが多いため支配のためのアクション数を他のグループよりも多く必要とする。第2グループ(イギリス及び多国籍軍)は南部を担当し、スーダンとチャドからの武器密輸を阻止するため国境の警備に部隊を割り当てる。その後、残った部隊で北進していく。第3グループ(フランス軍)と第4グループ(イタリア軍)は地中海から上陸作戦を敢行し、沿岸部エリアを支配下におくことでヨーロッパ諸国へのテロ行為の阻止を図る。第5グループ(エジプト軍)は自国領土から侵攻し、トブルク政府周辺エリアを支配下に治めることで地域を安定化させる。

各グループの部隊編成と行動プラン(Troop Leading Procedures)

それでは、実際に各グループの編成と行動プランを決めていく。

第1グループ(アメリカ軍)11ユニット(2*機甲、2*機械化歩兵、1*偵察、6*空挺)
アメリカ軍は部隊を主力の地上軍グループ1個と2つの空挺部隊グループの3つのグループへさらに分ける。2個空挺部隊グループは状況に応じて、自軍支配下エリアに隣接する敵支配下エリアへ「ヘリボーン突撃」アクションによって投入される。

1-1(US) 6ユニット(2*機甲、2*機械化歩兵、1*偵察、1*空挺)
 「第3軍団」
 [2/1] 第1歩兵師団第2旅団戦闘団 機械化歩兵
 「第18空挺軍団」
 [1/3] 第3歩兵師団第1旅団戦闘団 機甲
 [2/3] 第3歩兵師団第2旅団戦闘団(軽歩兵) 偵察
 [3/3] 第3歩兵師団第3旅団戦闘団 機甲
 「アメリカ欧州陸軍直属」
 [2 Stryker] 第2ストライカー騎兵連隊(SBCT:旅団戦闘団相当) 機械化歩兵
 [173] 第173空挺旅団戦闘団 空挺
1-2(US) 3ユニット(3*空挺)
 「第18空挺軍団」
 [1/101] 第101空挺師団(第101空中突撃師団)第1旅団戦闘団 空挺
 [2/101] 第101空挺師団(第101空中突撃師団)第2旅団戦闘団 空挺
 [3/101] 第101空挺師団(第101空中突撃師団)第3旅団戦闘団 空挺
1-3(US) 2ユニット(2*空挺)
 「第18空挺軍団」
 [1/82] 第82空挺師団(第82師団)第1旅団戦闘団 空挺
 [2/82] 第82空挺師団(第82師団)第2旅団戦闘団 空挺

グループの行動プランは以下のようになる。
1.1-1(US)部隊はAOA_US_01を移動し、チュニジア領GabesエリアからリビアのSabrathaエリアへ侵攻する
2.1-1(US)部隊はAOA_US_02を移動し、SabrathaエリアからOBJ07(Tripoli)エリアへ侵攻する
3.1-1(US)部隊はAOA_US_03を移動し、OBJ07(Tripoli)エリアからMisratahエリアへ侵攻する
4.1-1(US)部隊はAOA_US_04を移動し、MisratahエリアからSidrエリアへ侵攻する
5.1-1(US)部隊はAOA_US_05を移動し、SidrエリアからWaddanエリアへ侵攻する
6.1-1(US)部隊はAOA_US_06を移動し、WaddanエリアからSabhaエリアへ侵攻する
7.1-1(US)部隊はAOA_US_07を移動し、SabhaエリアからOBJ01(Adiri)エリアへ侵攻する
8.1-1(US)部隊はAOA_US_08を移動し、SabhaエリアからOBJ02(Murzuj)エリアへ侵攻する
9.1-2(US)部隊はAOA_US_09を移動し、Bani Walidエリアへ「ヘリボーン突撃」アクションで侵攻する
10.1-2(US)部隊はAOA_US_10を移動し、Bani WalidエリアからGharyaエリアへ侵攻する
11.1-2(US)部隊はAOA_US_11を移動し、GharyaエリアからGhadamesエリアへ侵攻する
12.1-3(US)部隊はAOA_US_12を移動し、Ghatエリアへ「ヘリボーン突撃」アクションで侵攻する
13.1-3(US)部隊はAOA_US_13を移動し、Waw al kabirエリアへ「ヘリボーン突撃」アクションで侵攻する

アメリカ軍第1グループの移動経路

アメリカ軍第2、第3グループの移動経路

第2グループ(イギリス及び多国籍軍)7ユニット(3*機械化歩兵、1*歩兵(山岳)、1*偵察、2*空挺)
イギリス軍主導による多国籍軍は、グループを主力地上部隊と空挺部隊の2つにさらに分ける。早急にAl AwaynatエリアとMa'tan as Sarraエリアを支配下におき、武器密輸を阻止するために国境の警備を行う。残り部隊は北進しOBJ06(Awjilah)の「精油所/油田」エリアを占領支配する。

2-1(GBMN) 5ユニット(3*機械化歩兵、1*歩兵(山岳)、1*偵察)
 「イギリス」
 [1 Arm] 第1機甲旅団 機械化歩兵
 [12 Arm] 第12機甲旅団 機械化歩兵
 「スペイン」
 [7 Gal] 第7空中機動軽歩兵旅団(第7ガリシア軽歩兵旅団) 偵察
 「ドイツ」
 [KG233] 第233山岳軽歩兵戦闘団 山岳
 「その他」
 [MN]  多国籍旅団 機械化歩兵 (バルト諸国、デンマーク、ポルトガルなど)
2-2(GBMN) 2ユニット(2*空挺)
 [16 AA] 第16空中強襲旅団(第16空中突撃旅団) 空挺
 [6 Alm] 第6落下傘軽歩兵旅団(第6アルモガバルス空挺旅団)空挺

グループの行動プランは以下のようになる。
1.2-1(GBMN)部隊はAOA_GB_01を移動し、南東部のエジプト領地からリビアのAl Awaynatエリアへ侵攻する
2.2-1(GBMN)部隊はAOA_GB_02を移動し、Al AwaynatエリアからAl Kufrahエリアへ侵攻する
3.2-2(GBMN)部隊はAOA_GB_03を移動し、Ma'tan as Sarraエリアへ「ヘリボーン突撃」アクションで侵攻する
4.2-1(GBMN)部隊はAOA_GB_04を移動し、Al KufrahエリアからOBJ06(Awjilah)エリアへ侵攻する
5.2-1(GBMN)部隊はAOA_GB_05を移動し、OBJ06(Awjilah)エリアからTazibuエリアへ侵攻する

イギリス軍主導の多国籍軍の移動経路

第3グループ(フランス軍)5ユニット(1*機械化歩兵、1*歩兵(海兵)、2*偵察、1*空挺)
フランス軍は第9海兵旅団が先導する上陸作戦の実行後、2つの「精油所/油田」エリアと1つの地中海沿岸部エリアを支配下におくことで、ヨーロッパ諸国へのテロの脅威を減少させる

3-1(FRA) 5ユニット(1*機械化歩兵、1*歩兵(海兵)、2*偵察、1*空挺)
 [9 BIMA] 第9海兵旅団 歩兵
 [3 BLB] 第3軽機甲旅団 偵察  
 [6 BLB] 第6軽機甲旅団(軽装甲装輪車両化歩兵部隊) 偵察
 [11 P] 第11落下傘旅団(第11空挺旅団) 空挺
 [13 DBLE] 第13外人准旅団(機械化歩兵准旅団) 機械化歩兵

グループの行動プランは以下のようになる。
1.3-1(FRA)部隊はAOA_FRA_01を移動し、地中海から上陸作戦によりOBJ04(Ra's Lanuf)エリアへ侵攻する
2.3-1(FRA)部隊はAOA_FRA_02を移動し、OBJ04(Ra's Lanuf)エリアからOBJ03(Maradah)エリアへ侵攻する
3.3-1(FRA)部隊はAOA_FRA_03を移動し、OBJ03(Maradah)エリアからAjdabiyaエリアへ侵攻する

フランス軍の移動経路

第4グループ(イタリア軍)4ユニット(3*機械化歩兵、1*歩兵(海兵))
イタリア軍はラグナリ連隊(強襲揚陸連隊)が先導する上陸作戦の実行後、1つの「精油所/油田」エリアと2つの地中海沿岸部エリアを支配下におくことで、ヨーロッパ諸国へのテロの脅威を減少させる

4-1(ITA) 4ユニット(3*機械化歩兵、1*歩兵(海兵))
 [Sa] サッサリ旅団 機械化歩兵
 [3 Be]  第3ベルサリエーリ連隊 機械化歩兵
 [8 Be]  第8ベルサリエーリ連隊 機械化歩兵
 [La] ラグナリ連隊(強襲揚陸連隊) 歩兵

グループの行動プランは以下のようになる。
1.4-1(ITA)部隊はAOA_ITA_01を移動し、地中海から上陸作戦によりOBJ08(Benghazi)エリアへ侵攻する
2.4-1(ITA)部隊はAOA_ITA_02を移動し、OBJ08(Benghazi)エリアからShahhatエリアへ侵攻する
3.4-1(ITA)部隊はAOA_ITA_03を移動し、ShahhatエリアからDernaエリアへ侵攻する

イタリア軍の移動経路

第5グループ(エジプト軍)7ユニット(2*機甲、2*機械化歩兵、1*歩兵、1*空挺、1*特殊部隊)
エジプト軍はグループを2つの地上部隊にさらに分ける。「第1野戦軍第2軍」は南下し「精油所/油田」エリアを目指す。「第1野戦軍第3軍」はトブルクを抜けてJebel Akhdarエリアを支配下におき、トブルク周辺の地域を安定化する。

5-1(EGY) 4ユニット(1*機甲、1*機械化歩兵、1*歩兵、1*特殊部隊)
 「第1野戦軍第2軍」
 [6] 第6機械化歩兵師団 機械化歩兵
 [18] 第18独立機甲旅団 機甲
 [218] 第218独立歩兵旅団 歩兵
 [129] 第129Sa'ka Forces(アル-サイカ)特殊作戦連隊  特殊部隊
5-2(EGY)
 「第1野戦軍第3軍」 3ユニット(1*機甲、1*機械化歩兵、1*空挺)
 [8] 第8機械化歩兵師団 機械化歩兵
 [36] 第36独立機甲旅団 機甲
 [222] 第222空中機動旅団 空挺

グループの行動プランは以下のようになる。
1.5-1(EGY)と5-2(EGY)部隊はAOA_EGY_01を移動し、エジプト領El SalloumエリアからリビアのOBJ09(Tobruk)エリアへ侵攻する
2.5-1(EGY)部隊はAOA_EGY_02を移動し、OBJ09(Tobruk)エリアからOBJ05(Sarir)エリアへ侵攻する
3.5-2(EGY)部隊はAOA_EGY_03を移動し、OBJ09(Tobruk)エリアからJebel Akhdarエリアへ侵攻する

エジプト軍の移動経路

第6グループ(特殊部隊)5ユニット(2*強襲、1*偵察、1*人質救出、1*CSAR)
特殊部隊は連合軍保管ボックス(基地)にて待機し特殊任務ごとに出撃して帰還する。4つのチームはそれぞれ専門の任務が割り当てられているが、緊急対応で要員が不足している場合は他のチームが代理で投入される。

6-1(SOF) 強襲チーム
 [SAS] 第22SAS連隊(特殊空挺部隊) 特殊部隊
 [DF] 第1特殊部隊デルタ作戦分遣隊(デルタフォース) 特殊部隊
6-2(SOF) 偵察チーム
 [NWU 10] 海軍特殊戦グループ10(第10海軍特別戦闘部隊:ISR=情報・監視・偵察担当) 特殊部隊
6-3(SOF) 人質救出チーム
 [8 PM] 第2海兵師団第8海兵連隊 特別目的海兵空地任務部隊(SPMAGTF) 特殊部隊
6-4(SOF) CSARチーム(脱出直後のパイロット救出)
 [SPO] special-ops forces(空軍PJか?) 特殊部隊

各グループのアクション実行の優先度の決定

連合軍は1ターンに5回のアクションが実行でき、作戦終了までに全8ターンで合計40アクションを行うことができる。このアクションをどのように割り当てるのかをここで決定する。基本の運用ルールは、毎ターン5回のアクションは第1グループから第5グループまでが1回ずつ実行するものとする。もしも、緊急対応が発生した場合は以下の順番で下のグループからアクションを放棄するものとする。例えば、一番最初にアクションを放棄するグループは第5グループ(エジプト軍)であり、次が第2グループ(イギリス及び多国籍軍)となる。これとは別に自分のグループの任務が終了した場合は、余ったアクションの権利はアメリカ軍へ移す。この状態で、特殊部隊による任務を実行するか検討を行う。

アクション実行優先度表
1)第1グループ(アメリカ軍)
2)第3グループ(フランス軍)
3)第4グループ(イタリア軍)
4)第2グループ(イギリス及び多国籍軍)
5)第5グループ(エジプト軍)

各グループの行動プランを時系列(ターン毎のアクション)で記載すると以下のようになる。作戦が開始されるとこの順番で任務(アクション)が実行されていくが、緊急対応が発生した場合はどの任務を後回し(停止)にするのかの取り捨て選択の判断が指揮官(プレイヤー)に求められるだろう。

第1ターン
1-1(US)部隊はAOA_US_01を移動し、チュニジア領GabesエリアからリビアのSabrathaエリアへ侵攻する
3-1(FRA)部隊はAOA_FRA_01を移動し、地中海から上陸作戦によりOBJ04(Ra's Lanuf)エリアへ侵攻する
4-1(ITA)部隊はAOA_ITA_01を移動し、地中海から上陸作戦によりOBJ08(Benghazi)エリアへ侵攻する
2-1(GBMN)部隊はAOA_GB_01を移動し、南東部のエジプト領地からリビアのAl Awaynatエリアへ侵攻する
5-1(EGY)と5-2(EGY)部隊はAOA_EGY_01を移動し、エジプト領El SalloumエリアからリビアのOBJ09(Tobruk)エリアへ侵攻する

第2ターン
1-1(US)部隊はAOA_US_02を移動し、SabrathaエリアからOBJ07(Tripoli)エリアへ侵攻する
3-1(FRA)部隊はAOA_FRA_02を移動し、OBJ04(Ra's Lanuf)エリアからOBJ03(Maradah)エリアへ侵攻する
4-1(ITA)部隊はAOA_ITA_02を移動し、OBJ08(Benghazi)エリアからShahhatエリアへ侵攻する
2-1(GBMN)部隊はAOA_GB_02を移動し、Al AwaynatエリアからAl Kufrahエリアへ侵攻する
5-1(EGY)部隊はAOA_EGY_02を移動し、OBJ09(Tobruk)エリアからOBJ05(Sarir)エリアへ侵攻する

第3ターン
1-1(US)部隊はAOA_US_03を移動し、OBJ07(Tripoli)エリアからMisratahエリアへ侵攻する
3-1(FRA)部隊はAOA_FRA_03を移動し、OBJ03(Maradah)エリアからAjdabiyaエリアへ侵攻する
4-1(ITA)部隊はAOA_ITA_03を移動し、ShahhatエリアからDernaエリアへ侵攻する
2-2(GBMN)部隊はAOA_GB_03を移動し、Ma'tan as Sarraエリアへ「ヘリボーン突撃」アクションで侵攻する
5-2(EGY)部隊はAOA_EGY_03を移動し、OBJ09(Tobruk)エリアからJebel Akhdarエリアへ侵攻する

第4ターン
1-1(US)部隊はAOA_US_04を移動し、MisratahエリアからSidrエリアへ侵攻する
2-1(GBMN)部隊はAOA_GB_04を移動し、Al KufrahエリアからOBJ06(Awjilah)エリアへ侵攻する
1-2(US)部隊はAOA_US_09を移動し、Bani Walidエリアへ「ヘリボーン突撃」アクションで侵攻する
(2アクションの余裕あり)

第5ターン
1-1(US)部隊はAOA_US_05を移動し、SidrエリアからWaddanエリアへ侵攻する
2-1(GBMN)部隊はAOA_GB_05を移動し、OBJ06(Awjilah)エリアからTazibuエリアへ侵攻する
1-2(US)部隊はAOA_US_10を移動し、Bani WalidエリアからGharyaエリアへ侵攻する
(2アクションの余裕あり)

第6ターン
1-1(US)部隊はAOA_US_06を移動し、WaddanエリアからSabhaエリアへ侵攻する
1-2(US)部隊はAOA_US_11を移動し、GharyaエリアからGhadamesエリアへ侵攻する
(3アクションの余裕あり)

第7ターン
1-1(US)部隊はAOA_US_07を移動し、SabhaエリアからOBJ01(Adiri)エリアへ侵攻する
1-3(US)部隊はAOA_US_12を移動し、Ghatエリアへ「ヘリボーン突撃」アクションで侵攻する
(3アクションの余裕あり)

第8ターン
1-1(US)部隊はAOA_US_08を移動し、SabhaエリアからOBJ02(Murzuj)エリアへ侵攻する
1-3(US)部隊はAOA_US_13を移動し、Waw al kabirエリアへ「ヘリボーン突撃」アクションで侵攻する
(3アクションの余裕あり)

作戦開始時のコラテラル・ダメージ用交戦規定の設定はステージ6とする。ステージ6は「市街地での目標殺害アクションの禁止(空爆、ドローン)」である。

以上が連合軍側による状況判断と意思決定および作戦計画の立案となる。


作戦の実行と考察(AAR)

ここからは実際のゲームプレイの様子を記録していく。ゲーム後の反省点も絡め、要所ごとの状況を考察する。

ゲーム開始時の部隊配置後の盤面

作戦進行チャートと部隊編成表

作戦図

第1ターン第1ラウンド
連合軍
1-1(US)部隊はAOA_US_01を移動し、チュニジア領GabesエリアからリビアのSabrathaエリアへ侵攻する。迎えるDAESHは3*IED、1*ATの4戦力。圧倒的な火力で大した損害を受けることなく制圧する。

DAESH
アクション#7。チャドからの武器密輸が行われ次の戦闘時にDAESHは+1DRMを得る。
Matan As'Sarraエリアを早めに支配下におく必要がある。

第1ターン第2ラウンド
連合軍
3-1(FRA)部隊はAOA_FRA_01を移動し、地中海から上陸作戦によりOBJ04(Ra's Lanuf)エリアへ侵攻する。迎えるDAESHは2*IED、1*AT&AA、1*AA、1*通常装備の5戦力。フランス軍は敵3戦力から反撃され、早速損害を受ける(損害ポイント+1)。その代わりに、捕らえた敵兵の情報から敵指導者がここより隣の沿岸部エリアSidrにいることが判明した。特殊部隊司令部へ至急報告する。

DAESH
アクション#4。Benghaziエリアで待ち伏せアクションが発生するが、DAESH支配下のため「アクションなし」となる。

第1ターン第3ラウンド
連合軍
6-1(SOF) 強襲チーム[SAS] がSidrエリアにS&G作戦で出撃する。
イタリア軍部隊の上陸侵攻を遅延させて、特殊部隊による敵指導者の捕獲作戦を急遽割り込み実行する。敵指導者がいるSidrエリアにSASを派遣し捕獲のために強襲をかける。結果は成功、さすがのSASだ。


DAESH
アクション#5。Murzujエリアにあるパイプライン破壊アクションが発生するが、DAESH支配下のため「アクションなし」となる。

第1ターン第4ラウンド
連合軍
4-1(ITA)部隊はAOA_ITA_01を移動し、地中海から上陸作戦によりOBJ08(Benghazi)エリアへ侵攻する。迎えるDAESHは1*IED、1*AT&IED、1*A T、2*CIVの5戦力。本作戦で初めてDAESHによるCIV(人間の盾)が使用される。イタリア軍は敵4戦力から反撃され、損害を受ける(損害ポイント+2)。その代わりに、捕らえた敵兵の情報から敵指導者が先ほどフランス軍が支配下においたRa's Lanufエリアにいることが判明した。こちらも特殊部隊司令部へ至急報告する。イタリア軍のBenghaziエリア侵攻による戦闘で一般市民への被害が発生する。悲惨な映像がインターネットに流出し世論から批判が巻き上がる(コラテラル・ダメージ+2)。

DAESH
アクション#6。スーダンからの武器密輸が行われ次の戦闘時にDAESHは+1DRMを得る。
こちらもMatan As'Sarraエリアを早めに支配下におく必要がある。

第1ターン第5ラウンド
連合軍
6-1(SOF) 強襲チーム[DF]がRa's LanufエリアにS&G作戦で出撃する。
イギリス&多国籍軍部隊の南部侵攻を遅延させて、特殊部隊による敵指導者の捕獲作戦を急遽割り込み実行する。敵指導者がいるRa's Lanufエリアにデルタフォースを派遣し捕獲のために強襲をかける。結果は成功、良い出だしだ。

DAESH
アクション#7。チャドからの武器密輸が行われ次の戦闘時にDAESHは+1DRMを得る。
(武器密輸アクションが連続で2回発生したので、合計+2DRMになるのかルールが曖昧だが、ここではDAESHが有利になるよう累積していくこととする。DRMが累積するとは、戦車のような強力な武器が密輸されたことを表現する。)

第1ターン、追加ラウンド判定(第1ターン第6ラウンド)
ダイス出目4で判定は、追加なし。ターン終了フェイズへ入る。

第1ターン終了フェイズ
捕獲DAESH指導者判定
1人の指導者が「口を割り」、次に侵攻するエリアの兵力の情報を得ることができた。
LNA地域旅団判定
1個LNAユニットをSabrathaエリアへ配置し駐留させる。

第1ターン戦況報告
1ターン目から敵指導者2名の特定と捕獲に成功し良い出だしとなった。この対応で急遽、特殊任務を2件割り当てたため、イギリス軍とエジプト軍の行動が遅延となった。両グループともに時間的な猶予があるため現状は問題なし。

第1ターン終了時の状況

第2ターン第1ラウンド
連合軍
1-1(US)部隊はAOA_US_02を移動し、SabrathaエリアからOBJ07(Tripoli)エリアへ侵攻する。敵戦力は、2*IED、1*AT&AA、2*CIVの5戦力。戦闘による一般市民への被害の様子がインターネットに流出する(コラテラル・ダメージ+1)。

DAESH
アクション#7。チャドからの武器密輸が行われ次の戦闘時にDAESHは+1DRMを得る。

第2ターン第2ラウンド
連合軍
3-1(FRA)部隊は[9 BIMA] 第9海兵旅団をRa's Lanufエリアへ駐留させて、AOA_FRA_02を移動しOBJ04(Ra's Lanuf)エリアからOBJ03(Maradah)エリアへ侵攻する。フランス軍は2航空支援と1砲撃支援を受けて戦闘を実施しエリアを支配下におくが、敵1戦力からの反撃で損害を受ける(損害ポイント+1)。捕らえた敵兵の情報から敵指導者2名の居場所が特定された。大戦果である。場所はともに沿岸部エリアのSidrエリアとAjdabiyaエリア。早速、特殊部隊司令部へ報告。

DAESH
アクション#9。連合軍内の情報漏洩が発生するが、対象エリアがDAESH支配下のため「アクションなし」となる。

第2ターン第3ラウンド
連合軍
6-1(SOF) 強襲チーム[SAS] がSidrエリアにS&G作戦で出撃する。
イタリア軍部隊の上陸侵攻を遅延させて、特殊部隊による敵指導者の捕獲作戦を急遽割り込み実行する。敵指導者がいるSidrエリアにSASを派遣し捕獲のために強襲をかける。結果は成功、安定のSAS。

DAESH
アクション#6。スーダンからの武器密輸が行われ次の戦闘時にDAESHは+1DRMを得る。

第2ターン第4ラウンド
連合軍
6-1(SOF) 強襲チーム[DF]がAjdabiyaエリアにS&G作戦で出撃する。
イギリス&多国籍軍部隊の南部侵攻を遅延させて、特殊部隊による敵指導者の捕獲作戦を急遽割り込み実行する。敵指導者がいるAjdabiyaエリアにデルタフォースを派遣し捕獲のために強襲をかける。結果は成功、SASには負けられない。

DAESH
アクション#2。沿岸部エリアから出発したDAESHの自爆ボートが南ヨーロッパのツーリスト・リゾートを襲う。ダイス出目は1、自爆ボートは直前で阻止され撃沈することに成功した。

第2ターン第5ラウンド
連合軍
4-1(ITA)部隊は[La] ラグナリ連隊(強襲揚陸連隊)をBenghaziエリアへ駐留させてAOA_ITA_02を移動し、OBJ08(Benghazi)エリアからShahhatエリアへ侵攻する。イタリア軍は2砲撃支援を受けて戦闘を実施しエリアを支配下におくことに成功する。

DAESH
アクション#8。DAESHがローマ時代の遺跡レプティス・マグナを破壊した(DAESH+1VP)。連合軍は「Misratah」の支配が一歩間に合わず対応できなかった。

第2ターン、追加ラウンド判定(第2ターン第6ラウンド)
ダイス出目5で判定は、追加なし。ターン終了フェイズへ入る。

第2ターン終了フェイズ
捕獲DAESH指導者判定
捕獲した3人の指導者中、1人の指導者が「口を割り」、次に侵攻するエリアの兵力の情報を得ることができた。
LNA地域旅団判定
1個LNAユニットをTripoliエリアへ配置し駐留させる。
1個LNAユニットをShahhatエリアへ配置し駐留させる。

第2ターン戦況報告
このターンも敵指導者2名の特定と捕獲に成功した。2ターン目で6名中4名を捕獲しており、今回はかなり運が良いと言えるだろう。だが、特殊任務のためこのターンもイギリス軍とエジプト軍の行動が遅延となった。イギリス軍が担当するエリアのスーダンやチャドからの武器密輸が頻繁に起きているため、早めにエリアを占領し国境警備にて阻止をしなければ味方の損害が益々増えていくのが予想される。

第2ターン終了時の状況

第3ターン第1ラウンド
連合軍
1-1(US)部隊はAOA_US_03を移動し、OBJ07(Tripoli)エリアからMisratahエリアへ侵攻する。損害なくエリアの支配に成功する。捕らえた敵兵の情報から敵指導者2名の居場所が特定された。場所はともに沿岸部エリアのSidrエリアとWaw al Kabirエリア。早速、特殊部隊司令部へ報告を行う。

DAESH
アクション#3。DAESHが西側のジャーナリストまたはNGOを誘拐した情報を得る。

第3ターン第2ラウンド
連合軍
3-1(FRA)部隊は[13 DBLE] 第13外人准旅団をMaradahエリアへ駐留させて、AOA_FRA_03を移動し、OBJ03(Maradah)エリアからAjdabiyaエリアへ侵攻する。フランス軍は2航空支援と1砲撃支援を受けて戦闘を実施しエリアを支配下におくが、敵1戦力からの反撃で損害を受ける(損害ポイント+1)。捕らえた敵兵の情報から人質1名の居場所が特定された。今回、フランス軍の捜索能力は大変素晴らしいものがある。Matan As'Sarraエリアにいる人質の情報を特殊部隊司令部へ報告。

DAESH
アクション#10。DAESHのアクションなし。

第3ターン第3ラウンド
連合軍
6-1(SOF) 強襲チーム[SAS] がSidrエリアにS&G作戦で出撃する。
イタリア軍部隊の上陸侵攻を遅延させて、特殊部隊による敵指導者の捕獲作戦を急遽割り込み実行する。敵指導者がいるSidrエリアにSASを派遣し捕獲のために強襲をかける。結果は失敗、指導者を取り逃す。

DAESH
アクション#1。DAESHのパイロットが沿岸部から離陸しバチカンに対して自爆攻撃を行う。事前に情報を得たNATO軍がこれを地中海上空で撃墜し阻止する。

第3ターン第4ラウンド
連合軍
6-1(SOF) 強襲チーム[DF]がWaw al KabirエリアにS&G作戦で出撃する。
イギリス&多国籍軍部隊の南部侵攻を遅延させて、特殊部隊による敵指導者の捕獲作戦を急遽割り込み実行する。敵指導者がいるWaw al Kabirエリアにデルタフォースを派遣し捕獲のために強襲をかける。結果は成功、SASの失敗を見てニンマリする。

DAESH
アクション#5。Awjilahエリアにあるパイプライン破壊アクションが発生するが、DAESH支配下のため「アクションなし」となる。

第3ターン第5ラウンド
連合軍
6-3(SOF) 人質救出チーム[8 PM]がMatan As'Sarraエリアにいる人質に対しS&G作戦を実行する。
エジプト軍部隊の侵攻を遅延させて、特殊部隊による人質救出作戦を急遽割り込み実行する。第2海兵師団第8海兵連隊(SPMAGTF)による作戦は、成功。人質は無事に家族のもとへ戻った。


DAESH
アクション#3。DAESHが西側のジャーナリストまたはNGOを誘拐した情報を得る。同じ人質ではないことを祈る。
第3ターン、追加ラウンド判定(第3ターン第6ラウンド)
ダイス出目4で判定は、追加なし。ターン終了フェイズへ入る。

第3ターン終了フェイズ
捕獲DAESH指導者判定
捕獲した4人の指導者中、2人の指導者が「口を割り」、人質1名の居場所と次に侵攻するエリアの兵力の情報を得ることができた。
LNA地域旅団判定
1個LNAユニットをMisratahエリアへ配置し駐留させる。
DAESH指導者と人質の移動判定
1名の指導者が再び潜伏し保管ボックスへ戻る。
1名の人質が再び潜伏し保管ボックスへ戻る。

第3ターン戦況報告
フランス軍は作戦任務終了となりエリアに駐留する。敵指導者1名捕獲、人質1名の救出成功の成果となった。敵指導者は残り1名である。特殊任務3回の実行によりイタリア軍、イギリス軍、エジプト軍の地上部隊の行動が遅延となった。また、開始3ターンで敵の主なテロ行為3件が全て発生してしまった。3つのテロはすべて地中海沿岸部のエリアを一定条件で支配下におかないと無効化できないので、今後への課題として、3ターン以内での沿岸部エリア支配の方法を検討する必要があるだろう。

第3ターン終了時の状況

第4ターン第1ラウンド
連合軍
1-1(US)部隊はAOA_US_04を移動し、MisratahエリアからSidrエリアへ侵攻する。敵1戦力からの反撃で損害を受ける(損害ポイント+1)。

DAESH
アクション#4。Ra's Lanufエリアを駐留する[9 BIMA] 第9海兵旅団に対しDAESHの待ち伏せ攻撃が行われる。航空支援を受けるも敵の攻撃で損害を受ける(損害ポイント+1)。

第4ターン第2ラウンド
連合軍
1-2(US)部隊はAOA_US_09を移動し、Bani Walidエリアへ「ヘリボーン突撃」アクションで侵攻する。「第18空挺軍団」の第101空挺師団[1/101] [2/101] [3/101]各旅団がMisratahエリアから侵攻を開始した。DAESH側は人間の盾とメディア(CIVとMediaユニット)を巧みに使い、犠牲となった一般市民の悲惨な姿の映像をインターネットに流出させて対抗した。戦闘は圧勝だったが、世論からの批判を浴びて評価が下がる(コラテラル・ダメージ+2)。

DAESH
アクション#10。DAESHのアクションなし。

第4ターン第3ラウンド
連合軍
4-1(ITA)部隊はAOA_ITA_03を移動し、ShahhatエリアからDernaエリアへ侵攻する。敵の攻撃で損害を受ける(損害ポイント+1)。DAESHは再び人間の盾とメディア(CIVとMediaユニット)戦術をとって、犠牲となった一般市民の姿をネットへ流す(コラテラル・ダメージ+1)。

DAESH
アクション#4。Gharyanエリアで待ち伏せアクションが発生するが、DAESH支配下のため「アクションなし」となる。

第4ターン第4ラウンド
連合軍
2-1(GBMN)部隊はAOA_GB_01を移動し、南東部のエジプト領地からリビアのAl Awaynatエリアへ侵攻する。損害を受けることなくエリアを支配下におく。捕らえた敵兵の情報から人質1名の居場所と敵指導者1名の居場所が特定された。さすがである。場所は人質がMatan As'Sarraエリア、敵指導者がWaw al Kabirエリアだった。早速、特殊部隊司令部へ報告。

DAESH
アクション#10。DAESHのアクションなし。

第4ターン第5ラウンド
連合軍
6-3(SOF) 人質救出チーム[8 PM]がMatan As'Sarraエリアにいる人質に対しS&G作戦を実行する。
エジプト軍部隊の侵攻を遅延させて、特殊部隊による人質救出作戦を急遽割り込み実行する。今回、人質の救出と敵指導者の捕獲をどちらを優先させるか検討したが、コラテラル・ダメージで下がった世論のイメージを向上させるために人質の救出を優先した。第2海兵師団第8海兵連隊(SPMAGTF)による作戦は、成功。英雄的行為による人質救出の映像は、メディアを使って流すことで軍の宣伝に大いに利用することができる。

DAESH
アクション#3。DAESHが西側のジャーナリストまたはNGOを誘拐した情報を得る。これは何かのコメディか?

第4ターン、追加ラウンド判定(第4ターン第6ラウンド)
ダイス出目4で判定は、追加なし。ターン終了フェイズへ入る。

第4ターン終了フェイズ
捕獲DAESH指導者判定
捕獲した2人の指導者中、1人の指導者が尋問中に死亡した。
人質および脱出パイロット判定
誘拐された人質がDAESHによって処刑された。映像が流出しニュースとなる(人質の処刑+1)。
LNA地域旅団判定
1個LNAユニットをSidrエリアへ配置し駐留させる。
1個LNAユニットをBani Walidエリアへ配置し駐留させる。
DAESH指導者と人質の移動判定
1名の指導者が再び潜伏し保管ボックスへ戻る。

第4ターン戦況報告
イタリア軍は作戦任務終了となりエリアに駐留する。他は1名の人質救出の成果となる。前半が終わって、イギリス軍がようやく進軍することができた。エジプト軍は未だに行動することができない。味方の損害と一般市民へのコラテラル・ダメージが頻繁に発生しているのが分かるが、ユニットプル方式でのDAESHユニットの配置やCRTダイス判定などがランダム処理なので効果的な対応ができない。対策としてもっとも有効な手段は戦闘をしないことだが、それでは作戦が進行しない。引き続き後半も作戦計画に従って機械的に行動し経過を観察する。

第4ターン終了時の状況

第5ターン第1ラウンド
連合軍
1-1(US)部隊はAOA_US_05を移動し、SidrエリアからWaddanエリアへ侵攻する。捕らえた敵兵の情報から敵指導者1名がDernaエリアにいることが特定された。特殊部隊司令部へ報告。

DAESH
第5ターン第2ラウンド
連合軍
6-1(SOF) 強襲チーム[SAS] がDernaエリアにS&G作戦で出撃する。
アメリカ軍部隊の侵攻を遅延させて、特殊部隊による敵指導者の捕獲作戦を急遽割り込み実行する。敵指導者がいるDernaエリアにSASを派遣し捕獲のために強襲をかける。結果は失敗、指導者を取り逃す。時代はDボーイズなのか。

DAESH
アクション#4。Sabhaエリアで待ち伏せアクションが発生するが、DAESH支配下のため「アクションなし」となる。

第5ターン第3ラウンド
連合軍
1-2(US)部隊はAOA_US_10を移動し、Bani WalidエリアからGharyaエリアへ侵攻する。敵の攻撃で損害を受ける(損害ポイント+1)。DAESH側は再び人間の盾とメディア(CIVとMediaユニット)戦術をとり、犠牲となった一般市民の悲惨な姿の映像をインターネットに流出させて対抗した。世論からの批判を浴びて評価が下がる(コラテラル・ダメージ+2)

DAESH
アクション#4。Tripoliエリアで待ち伏せアクションが発生する。戦力1の1個LNAが応戦するが損害2を受ける。が、LNAとエジプト軍の損害は連合軍の損害とはみなされないため損害0。本当にそれでいいのだろうか。

第5ターン第4ラウンド
連合軍
2-1(GBMN)部隊は[MN] 多国籍旅団をAl Awaynatエリアに駐留させて、AOA_GB_02を移動しAl AwaynatエリアからAl Kufrahエリアへ侵攻する。敵の攻撃で損害を受ける(損害ポイント+1)。

DAESH
アクション#3。DAESHが西側のジャーナリストまたはNGOを誘拐した情報を得る。

第5ターン第5ラウンド
連合軍
5-1(EGY)と5-2(EGY)部隊はAOA_EGY_01を移動し、エジプト領El SalloumエリアからリビアのOBJ09(Tobruk)エリアへ侵攻する。

DAESH
アクション#9。連合軍内の情報漏洩が発生するが、対象エリアがDAESH支配下のため「アクションなし」となる。

第5ターン、追加ラウンド判定(第5ターン第6ラウンド)
ダイス出目1で判定は、追加あり。第6ラウンド終了後にターン終了フェイズへ入る。

第5ターン第6ラウンド
連合軍
6-1(SOF) 強襲チーム[DF]がDernaエリアにS&G作戦で出撃する。
特殊部隊による敵指導者の捕獲作戦を急遽実行する。敵指導者がいるDernaエリアにデルタフォースを派遣し捕獲のために強襲をかける。結果は大失敗。敵に待ち伏せされて反撃を受けるが損害なく帰還する。

DAESH
アクション#3。DAESHが西側のジャーナリストまたはNGOを誘拐した情報を得る。

第5ターン終了フェイズ
捕獲DAESH指導者判定
捕獲した1人の指導者は何も喋らず。尋問は続く。
人質および脱出パイロット判定
誘拐された人質2名がDAESHによって処刑された。映像が流出しニュースとなる(人質の処刑+2)。
LNA地域旅団判定
1個LNAユニットをGharyanエリアへ配置し駐留させる。
1個LNAユニットをWaddanエリアへ配置し駐留させる。
DAESH指導者と人質の移動判定
1名の指導者が再び潜伏し保管ボックスへ戻る。

第5ターン戦況報告
エジプト軍がようやく進軍した。前半に調子の良かった特殊部隊強襲チームの任務失敗が目立つ。ゲームの流れを観察していて気づいたが、ターン中に誘拐された人質は同じターン中に居場所の特定と救出に成功しなければ、そのターンの終了フェイズで処刑される可能性が極めて高い。しかし、特定は地上軍の戦闘結果次第であり、救出も特殊任務の判定しだいのため、こちらも効果的にコントロールすることが難しい。ターン中に5アクション全てを救出任務につぎ込んで失敗すると成果もなく、かつ、地上部隊の行動にも支障が出る。どこまで踏み込むのか指揮官の判断が試されるのだろう。

第5ターン終了時の状況

第6ターン第1ラウンド
連合軍
1-1(US)部隊はAOA_US_06を移動し、WaddanエリアからSabhaエリアへ侵攻する。敵の攻撃で損害を受ける(損害ポイント+1)。

DAESH
アクション#10。DAESHのアクションなし。

第6ターン第2ラウンド
連合軍
1-2(US)部隊はAOA_US_11を移動し、GharyaエリアからGhadamesエリアへ侵攻する。敵の攻撃で損害を受ける(損害ポイント+1)。一般市民への被害発生(コラテラル・ダメージ+1)。捕らえた敵兵の情報から敵指導者1名がTazirbuエリアにいることが特定された。特殊部隊司令部へ報告。

DAESH
アクション#7。チャドからの武器密輸が行われ次の戦闘時にDAESHは+1DRMを得る。

第6ターン第3ラウンド
連合軍
6-1(SOF) 強襲チーム[DF]がTazirbuエリアにS&G作戦で出撃する。
イギリス&多国籍軍部隊の侵攻を遅延させて、特殊部隊による敵指導者の捕獲作戦を急遽実行する。敵指導者がいるTazirbuエリアにデルタフォースを派遣し捕獲のために強襲をかける。結果は失敗。敵指導者を取り逃す。

DAESH
アクション#9。連合軍内の情報漏洩が発生するが、対象エリアがDAESH支配下のため「アクションなし」となる。

第6ターン第4ラウンド
連合軍
2-2(GBMN)部隊はAOA_GB_03を移動し、Ma'tan as Sarraエリアへ「ヘリボーン突撃」アクションで侵攻する。敵の攻撃で損害を受ける(損害ポイント+2)。


DAESH
アクション#10。DAESHのアクションなし。

第6ターン第5ラウンド
連合軍
2-1(GBMN)部隊はドイツの[KG233] 第233山岳軽歩兵戦闘団をAl Kufrahに駐留させて、AOA_GB_04を移動しAl KufrahエリアからOBJ06(Awjilah)エリアへ侵攻する。敵の攻撃で損害を受ける(損害ポイント+1)。

DAESH
アクション#10。DAESHのアクションなし。

第6ターン、追加ラウンド判定(第6ターン第6ラウンド)
ダイス出目4で判定は、追加なし。ターン終了フェイズへ入る。

第6ターン終了フェイズ
捕獲DAESH指導者判定
捕獲した1人の指導者は何も喋らず。尋問は続く。
LNA地域旅団判定は全てのLNAユニット配置済みのためなし。
DAESH指導者と人質の移動判定
1名の指導者が再び潜伏し保管ボックスへ戻る。

第6ターン戦況報告
アメリカ軍の1-2(US)部隊は任務終了となった。イギリス軍主導の多国籍軍は南部の2か所の国境エリアを支配下におくことに成功した。これによりスーダンとチャドからの武器密輸を阻止できる。味方の損害を少しでも減らすためにこれは必要な対応である(イベントで発生した戦闘時+1DRMを無効化できる)。他には、選択ルールの敵指導者と人質の移動はかなり有効で、せっかく見つけた敵指導者がターンの終わりに再び潜伏する可能性が非常に高い。これは特殊任務の緊急性をよく表現していて良いと思う。

第6ターン終了時の状況

第7ターン第1ラウンド
連合軍
1-1(US)部隊は[173] 第173空挺旅団戦闘団をSabhaエリアに駐留させて、グループをさらに2つに分けた。
グループ1
 [1/3] 第3歩兵師団第1旅団戦闘団 機甲
 [2/3] 第3歩兵師団第2旅団戦闘団(軽歩兵) 偵察
 [3/3] 第3歩兵師団第3旅団戦闘団 機甲
グループ2
 [2/1] 第1歩兵師団第2旅団戦闘団 機械化歩兵
 [2 Stryker] 第2ストライカー騎兵連隊(SBCT:旅団戦闘団相当) 機械化歩兵

このラウンドではグループ1の第3歩兵師団がAOA_US_07を移動し、SabhaエリアからOBJ01(Adiri)エリアへ侵攻する。敵の攻撃で損害を受ける(損害ポイント+1)。捕らえた敵兵の情報から敵指導者1名がTripoliエリアにいることが特定された。特殊部隊司令部へ報告。

DAESH
アクション#6。スーダンからの武器密輸は連合軍の国境警備により阻止される。

第7ターン第2ラウンド
連合軍
6-1(SOF) 強襲チーム[DF]がTripoliエリアにS&G作戦で出撃する。
イギリス&多国籍軍部隊の侵攻を遅延させて、特殊部隊による敵指導者の捕獲作戦を急遽実行する。敵指導者がいるTripoliエリアにデルタフォースを派遣し捕獲のために強襲をかける。結果は失敗。敵指導者を取り逃す。

DAESH
アクション#7。チャドからの武器密輸は連合軍の国境警備により阻止される。

第7ターン第3ラウンド
連合軍
1-3(US)部隊はAOA_US_12を移動し、Ghatエリアへ「ヘリボーン突撃」アクションで侵攻する。敵の攻撃で損害を受ける(損害ポイント+1)。

DAESH
アクション#4。Bani Walidエリアで待ち伏せアクションが発生する。LNAは損害を受けるが連合軍の損害ポイントには含めない。

第7ターン第4ラウンド
連合軍
2-1(GBMN)部隊は[7 Gal] 第7空中機動軽歩兵旅団(第7ガリシア軽歩兵旅団)をAwjilahエリアに駐留させて、AOA_GB_05を移動しOBJ06(Awjilah)エリアからTazibuエリアへ侵攻する。敵の攻撃で損害を受ける(損害ポイント+1)。一般市民への被害発生(コラテラル・ダメージ+2)。

DAESH
アクション#6。スーダンからの武器密輸は連合軍の国境警備により阻止される。

第7ターン第5ラウンド
連合軍
5-1(EGY)部隊はAOA_EGY_02を移動し、OBJ09(Tobruk)エリアからOBJ05(Sarir)エリアへ侵攻する。損害を受けるものの支配下におくことに成功する。

DAESH
アクション#9。連合軍内の情報漏洩が発生する。Tazirbuエリアにて連合軍が待ち伏せ攻撃される。(損害ポイント+2)。

第7ターン、追加ラウンド判定(第7ターン第6ラウンド)
ダイス出目1で判定は、追加あり。第6ラウンド終了後にターン終了フェイズへ入る。

第7ターン第6ラウンド
連合軍
6-1(SOF) 強襲チーム[DF]がTripoliエリアにS&G作戦で出撃する。
特殊部隊による敵指導者の捕獲作戦を急遽実行する。敵指導者がいるTripoliエリアにデルタフォースを派遣し捕獲のために強襲をかける。結果は失敗。敵指導者を取り逃す。

DAESH
アクション#6。スーダンからの武器密輸は連合軍の国境警備により阻止される。

第7ターン終了フェイズ
捕獲DAESH指導者判定
捕獲した1人の指導者は尋問中に死亡した。
LNA地域旅団判定は全てのLNAユニット配置済みのためなし。
DAESH指導者と人質の移動判定
1名の指導者が再び潜伏し保管ボックスへ戻る。

第7ターン戦況報告
イギリス軍は作戦任務終了となりエリアに駐留する。これで、フランス軍、イタリア軍、イギリス&多国籍軍グループの作戦任務は終了した。残りはアメリカ軍といつも後回しにされてきたエジプト軍である。40アクション中27アクションで終了するはずのこの作戦も、実際に運用してみると7ターン(35アクション)経過しても終了していない。それだけ、捕獲と救出任務を実行する要件が発生しているわけだが、実は今までルールで用意されている目標殺害(空爆、ドローン)や偵察、砲爆撃などのアクションを一切行っていない。この作戦ではそれらを実行する余裕が全くなかった。また別の機会にそれらを実行するとどのような効果になるのか試してみたい。

第7ターン終了時の状況

第8ターン第1ラウンド
連合軍
1-1(US)部隊はAOA_US_08を移動し、SabhaエリアからOBJ02(Murzuj)エリアへ侵攻する。敵の攻撃で損害を受ける(損害ポイント+3)。

DAESH
アクション#4。Shahhatエリアで待ち伏せアクションが発生する。LNAは損害を受けるが連合軍の損害ポイントには含めない。

第8ターン第2ラウンド
連合軍
5-2(EGY)部隊はAOA_EGY_03を移動し、OBJ09(Tobruk)エリアからJebel Akhdarエリアへ侵攻する。捕らえた敵兵の情報から敵指導者1名がMaradahエリアにいることが特定された。特殊部隊司令部へ報告。

DAESH
アクション#5。Ra's Lanufエリアにあるパイプライン破壊アクションが発生する。連合軍は戦闘により損害を受ける(損害ポイント+1)。

ここでアメリカ軍は移動することができる地上部隊がなくなり、最後のエリアWaw al Kabirへ侵攻することができなくなった。急遽、隣接するイギリス軍1個旅団戦闘団に出動を要請する。

第8ターン第3ラウンド
連合軍
2-1(GBMN)部隊はTazirbuエリアからWaw al kabirエリアへ[1 Arm] 第1機甲旅団を派遣しエリアを支配下におく。

DAESH
アクション#6。スーダンからの武器密輸は連合軍の国境警備により阻止される。

第8ターン第4ラウンド
連合軍
6-1(SOF) 強襲チーム[SAS]がMaradahエリアにS&G作戦で出撃する。
特殊部隊による敵指導者の捕獲作戦を急遽実行する。敵指導者がいるMaradahエリアにSASを派遣し捕獲のために強襲をかける。結果は成功。最後はやはり決めてくれた。


DAESH
アクション#6。スーダンからの武器密輸は連合軍の国境警備により阻止される。

第8ターン第5ラウンド
連合軍
全ての作戦行動が終了したためパスする。

DAESH
アクション#4。Jebel Akhdarエリアで待ち伏せアクションが発生する。エジプト軍は損害を受けるが連合軍の損害ポイントには含めない。

第8ターン、追加ラウンド判定(第8ターン第6ラウンド)
ダイス出目5で判定は、追加なし。ターン終了フェイズへ入る。

第8ターン終了フェイズ
捕獲DAESH指導者判定
捕獲した1人の指導者が「口を割る」。何か有益な情報を得たのだろう。
LNA地域旅団判定は全てのLNAユニット配置済みのためなし。
DAESH指導者と人質の移動判定はなし。

第8ターン戦況報告
リビア国内の全てのエリアを支配下におくことを目的としたこの包囲作戦は達成された。敵指導者6名全員の捕獲と「精油所/油田」エリア8か所全ての占領支配も達成したことで、作戦自体は大成功である。部隊の運用を見ると、ただ一つ、1-3(US)部隊はAOA_US_13を移動し、Waw al kabirエリアへ「ヘリボーン突撃」アクションで侵攻することが実行不可能になった。これはなぜか。残念だが作戦計画のミスである。この行動プランではWaw al kabirエリアへ行ける部隊が無い。作戦計画段階で、アクション数が余るので最後は近くにいる行けそうな部隊を適当に選んで派遣しようと考えていたのだが、実際の運用ではアクション数が足りなくなり派遣できるアメリカ軍部隊がいなかった。急遽、近くにいた責任範囲外のイギリス軍に要請して部隊を派遣してもらったが、実際はそんな都合良く部隊を動員できるだろうか。

第8ターン終了時の状況

ゲームの終了

それでは、作戦の成果ではなくゲーム本来の得点をみる。このソリテアゲームは連合軍とDAESHの戦いにおいてDAESHがVPを何点獲得したかで勝敗が決まるようになっている。DAESHのVPが15点以下の場合は連合軍の勝利、16点以上を獲得した場合はDAESHの勝利となる。なので、プレイヤーはDAESHがVPを獲得しないような行動をしなければならないのだが、今回のVP獲得の内訳は以下のようになった。

DAESH側のVP得点表
+11 コラテラル・ダメージ
+ 8 連合軍損害ポイント(24ポイントを3で割る)
+ 3 人質の処刑
+ 1 テロ行為
  0 生き残りのDAESH指導者(6から0へ)
  0 支配している製油所/油田エリア(8から0へ)
合計 23ポイント

各項目をVP得点率で表すと以下のようになる。
48% コラテラル・ダメージ
35% 連合軍損害ポイント
13% 人質の処刑
 4% テロ行為 
 0% 生き残りのDAESH指導者
 0% 支配している製油所/油田エリア

DAESHのVP獲得の合計点は23ポイントとなり、結果は16点以上を獲得したDAESHの+7点差での勝利である。

ゲーム終了時の盤面


考察(AAR)

今回は、ゲームシステムの動きを観察するためにプレイヤー(私)は作戦計画に従って機械的に行動した。VPなどの状況が悪くなっても、勝利を得るための臨機応変な対応を一切していない。よって、このプレイの結果は全エリアを支配下においてゲーム終了した場合のVP獲得状況のサンプルとなる。もっとも、出現するDEASHの種類がユニットプル方式でランダム化され、戦闘もダイスを使用して結果を求めるので、DEASH側の獲得点数の揺らぎ幅はかなりあるのではないかと思う。私のリアルラックの無さは折り紙付きなので、もしかしたら、今回は最悪のVP獲得状況なのかもしれない。ゲーム終了後に得点表を眺めると、DAESH側のVP獲得の主な要因がコラテラル・ダメージと連合軍の損害であることが分かる。この2つだけで得点の83%を占めている。コラテラル・ダメージの増大は、リビア国民の連合軍に対する憎しみと国際世論からの批判の増大を表現するものだろう。一方の連合軍損害ポイントの増大は、連合軍として参加した各国内の厭戦ムードの増大と先進国兵士の損害にかかわる一連のコストの増大を表現するものだろう。ゲームにおいてDAESHが勝つということは、連合諸国へ与えた政治的なレベルのダメージが強大だったことを表している。なので、連合軍指揮官は軍事面を担当しながら、作戦の立案と運用の段階で政治的な問題に対しても対処しなければならない。ゲームの趣旨がそのようなものであるため、実際にプレイしてみると戦闘を継続するほどコラテラル・ダメージが累積し、戦術的には圧勝していても政治的には苦しい立場に追い込まれていく様子が実感できる。このソリテアゲームは、立案した作戦の軍事的な評価と政治的なレベルでの評価が分かれるところが現代戦の様子を上手く表現しているのではないかと思う。コラテラル・ダメージと連合軍への損害を発生させずに目的を達成するにはどうすれば良いか。作戦計画の立案段階では、発生リスクが一番少ないプランを優先し詳細を煮詰め、実際の運用では臨機応変に対応してダメージコントロールをしていく必要があるのだろう。もちろん、その判断と責任は指揮官にあるわけである。


最後に、「Islamic State Libya War」は敵の出現や行動の不確実性が対テロ戦争のテーマとマッチしていて、ソリテアゲームとして大変良くできている。作戦の立案と運用に興味がある人には、編成と行動プランを変えて色々試したくなる面白いゲームになるだろう。ゲーム中はコラテラル・ダメージの累積にジリジリしたり、人質救出作戦を敢行したりとドラマ性があるので、現地の状況変化を想像しながらプレイすることで楽しい時間を過ごすことができるのではないだろうか。お勧めできるゲームである。



リンク

ソークオフだよ人生は:「沼」に片足突っ込むとはどういうことか教えてくれる『Islamic State: The Coming Libya War』(2017年 02月 08日)

小さなウォーゲーム屋(PETIT WARGAME SHOP)

BGG:Islamic State: Libya War (2016)

wikipedia:アラブの春

wikipedia:2011年リビア内戦

wikipedia:2014年リビア内戦

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