エクアドル・ペルー戦争 / Equatorial Clash (Bonsai Games,SNAFU Design)をソロプレイする

こちらは2023年4月15日から5月23日まで約1か月かけてTwitterへ連続投稿したツイートをブログ記事としてまとめたものになります。Twitterではツイートに文字数の制限があるため箇条書きの様な文体にして投稿しているのですが、ゲーム終了後改めて見返してみると書き加えたかった項目なども多々あるため、このブログ用まとめ記事には加筆修正を施しています。



エクアドル・ペルー戦争 / Equatorial Clash (Bonsai Games,SNAFU Design)


早速、ルールを一つずつ実際に適用して確認しながらの一人二役のお試しソロプレイをしてみます。下の写真は初期配置図で、この後ペルー陣営が8ユニットを自由配置してゲーム開始となります。



まずはAP(行動ポイント)をどこにどれくらい割り当てて運用すれば最適なのかの見当が全くつかないので、ペルー側は戦線を組んで広く押していく作戦でいきます。エクアドル側は相手の行動を出来る限り妨害して遅滞させ、ゲーム終了時のVPで引き分け以上になることを目標に挑んでみます。



第1ターンのペルー軍の行動(保有APは17)

・敵エリアへ6ユニットが前進(AP9)

・ECU03エリアで戦闘開始(AP2)

・工兵隊による道路建設と1ユニットの移動(AP5)

・戦車ユニット1をトゥンベスから前線地区まで後方移動(AP1)

残りAP0、オワタ―w

APが足りなくてECU02とECU04エリアで戦闘が出来ませぬ。

エクアドル側は海上輸送で部隊を前線へ送るのと、大統領への圧力でAPが枯渇。実は大統領への圧力の代わりに前線で反撃しようと思ったらAPが1金足りず諦める、1金あるあるw



下の写真は第1ターン終了時の様子です。別戦線も1歩動いたのでやはり兵力を投入しないとダメですな。とりあえず本日は1ターンで時間切れ終了としました。非公開の手札カードやカードデッキなどを使っていないのと扱っているユニット数が少ないので、この写真を見て再セットアップすれば続きができるかな?



後日、前回の写真を見て盤面を再セットアップしました。ユニット数が少ないのでこれなら続きが出来ます。ウォーゲームはユーロゲームなどと比べると準備やプレイに時間がかかるため、私の場合はいつも途中で”時間切れにてゲーム終了”になってしまいます。このゲームは続きの準備が楽なため、1日数ターンの進行を何回かに分けて継続することで最後までプレイすることが出来ました。見た目も良いゲームですが、こういった使い勝手の良さも素晴らしいです。

それでは第2ターンに進みます。ペルー側は毎ターンのVP減点を抑えるため国境周辺エリアの占有に重点を置いています。一方のエクアドル側は出来るだけ粘ってVP減点を累積させたいという状況です。APに余裕のあるペルー側は別戦線に部隊を派遣しVP獲得へ向けた準備も同時進行しています。エクアドル側はAPが足りず本当に苦しいです。



第2ターンのペルー軍の行動(保有AP18)

・戦車ユニットを戦線の右翼側へ合流(AP4)

・駆逐艦で海上哨戒任務開始(AP1)

・アマゾン戦線へ部隊を派遣(AP3)

・歩兵ユニット1を後方移動で前線へ(AP2)

・ECU04エリアで攻撃開始(AP2)

・マカラ=ロハ戦線へ部隊を派遣(AP3)

・2ユニットの回復試行(AP3)失敗w


第2ターンのエクアドル軍の行動(保有AP12)

・砲艦カルデロンで海上哨戒任務(AP1)

・ECU03エリアへ3ユニットで前進し反撃の準備(AP5)

・ECU03エリアで反攻開始(AP3)

・大統領への圧力(AP3)


ECU03エリアの攻撃は成功しませんでしたが、このゲームの戦闘ルールは意外と損害を与えた感じがするので好みです。結果はペルー軍がECU04エリアを占有し毎ターンの減点VPが-3から-1へ減少しました。このままいくとペルー側の圧勝な雰囲気ですが、実際に勝利するには12ターンの場合は+14点以上稼がないとダメなので、そうなると「これは時間的に間に合うのか?」という焦りが生じるようにきちんとデザインされているのが分かります。



第3ターンのペルー軍のAPは14。一方のエクアドル軍のAPはダイス目が良く15となりました。こうなると先攻のペルー側は、いつも以上に相手の可能行動を分析し、初手で最も有効な策を打たなければなりません。



ペルー側は駆逐艦で海上哨戒任務を開始。しかし、エクアドル側の砲艦カルデロンとの戦闘でまさかのダイス目1が出て、駆逐艦は壊滅状態へw

「再建」アクションで4APを支払えば再使用可能になりますが、果たしてそこまでの費用対効果があるのか?その辺の判断と決断が悩ましくて良く出来ています。



下の写真は第3ターン終了時の様子です。ペルー側は戦闘で勝利しECU05エリアを占有したことで、このターンで減点VPエリアを全て支配下に置くことに成功。累積減点はVP-3で止まりました。ここからはゲーム終了ターンまでにVPエリアを次々と占有し、加点を狙っていくことになります。

次にVPの内訳を見ていきます。

・国境線からサンタロサまでのVPエリアを全て支配するとVP+11。

・2つの別戦線を完全勝利するとVP+3。

合計でVP+14になりますが、12ターンでゲームが終わるとターン数を引いた結果が+2VPとなり、これでギリギリ勝利です。しかし実際はVP-3の状態なので、ここから更に+3点以上加点しないとなりません。こうなると更に前進しマチャラを制圧し占有するか(VP+4)、周辺を支配下に置くことでマチャラを包囲する状態(VP+4)に持って行かないとペルー側のゲーム勝利は難しいことが分かります。損害が増えれば貴重なAPを回復のために割り当てねばならず、ゲーム終了までの制限時間に対してAPを何に割り当てるかというリソース管理が苦しいため、どの手段が現時点では最適なのかと思考を終始巡らすことになります。



第4ターンです。

ペルー軍はECU02「ウアキリャス」都市部エリアに前進した部隊で戦闘アクションを実行。ここを支配下に置くとゲーム終了時にVP+2点を獲得できるため大変重要なエリアになっています。しかし、エクアドル軍の1ユニットが残留しエリアの占有に失敗。エクアドル側は急いでECU08エリアにいる本隊からECU02エリアへ増援を送ります。ペルー側は事前にECU09エリアを占有して増援経路を遮断しておくべきでしたが、実際には時間と資源が足りないため現状で攻略戦に挑む決断となりました。この辺の判断の悩ましさがAPと制限時間(残りアクション数やターン数及び手番交互制ルール)で上手く表現されています。



その後は、ペルー側は次ターンでECU08「アレニージャス」都市部エリアを攻略するため兵力を整えたところでAPが尽きました。これで第4ターンの終了により全12ターンのうちの序盤が終わりました。ペルー側は、次の5~8ターンの中盤でサンタロサ越えの前進を完了させ、終盤は停戦判定によるゲーム終了の展開を踏まえながらのマチャラまでの進軍を考えています。一方のエクアドル側は、敵の前進を何としても遅滞させるため隙あらば大逆襲の機会を狙っているところです。



第5ターンです。

ダイスロールの出目が信じられないことに1と2という結果となり、ペルー軍のAPは13でエクアドル軍のAPは11という、何ともしょっぱいターンになりました。さて、どうするか?w



ペルー側は、少ないAPをやり繰りして予定通りECU08「アレニージャス」都市部エリアを攻略し、占有に成功。一方のエクアドル側は、損耗した(裏返して白い面になった)ユニットの回復にAPの使用を優先しているため、思ったほど壊滅ユニットを出さずに戦線を押されながらも維持しています。



第6ターンのペルー軍のAPは19。

ペルー側は中央部を突貫して前進していますが、このターンにAP19もあれば両翼を同時に攻めることが出来ます。どちらもVP獲得エリアなのでECU02、ECU07の攻略を優先することに決めました。エクアドル側は損耗した部隊を回復しつつ増援を現地へ送りたいところです。



結果はペルー軍がECU02とECU07の占有に成功。これにより前線が大きく動きました。エクアドル側はECU17を守るために山岳エリアへ薄く布陣し、敵に出来るだけAPを消費させようという戦法に出ます。更に、ECU02を退却した部隊は本隊へ合流させるのかそれとも今いるエリアを固守して時間を稼ぐか、考えは尽きません。加えて、壊滅ユニットも増えてきたため、再建後に前線まで輸送させるプランも考慮しなければなりません。そのような対処よりも大統領へ圧力をかけて拘束中の部隊を先に開放するべきなのか。この場合は終盤の停戦判定が不利になり、早期ゲーム終了の目論見が外れる可能性が高くなります。うーむ、悩ましいw



実は、このツイートの投稿後に「エクアドル・ペルー戦争 / Equatorial Clash」のパブリッシャーであるスペインの"Snafu Store"(@snafustore)さんから「サンタロサへ空挺降下する時間ですよ」というありがたいコメントを頂きました。私は最終ターンに空挺降下を実行する計画だったので、このタイミングで実行することは全く想定していませんでした。この予定外のイベントが発生することで作戦にどのような影響が出るのかシミュレーションするのも面白いと考え、この案を採用することにしました。状況的には、この作戦を担当している作戦司令部よりも更に上層部からの特命で空挺降下が実行された、ということにします。背景設定は「アメリカ大陸で初めて空挺作戦を実行した軍」という歴史的な記録を残したい上層部が、軍事作戦中に空挺降下を中々実行しようとしない現場指揮官に我慢できず介入してきた、という内容で話を進めていきます。


第7ターン。

ペルー軍最高司令部の特命で、ガラ空きとなった「サンタロサ」エリアへ空挺ユニットが空挺降下を実行。同時に「作戦部隊は速やかに合流し空挺部隊を無事に回収せよ」との命令が下達されます。



これは困ったww

うーむ、どうするか?


ペルー軍の現場指揮所は作戦図を見ながら大慌ての状況でしょう。すぐに使える戦力は次の通りです。

・残りAP14

・2*地上支援航空ユニット

・1*移動能力の高い騎兵ユニット

・1*最前線中央にいる地上部隊



しばし考えた後、以下の様な作戦を組み立てて実行しました。

・山岳エリアにいる騎兵部隊に特命を与えて、戦線の合間を縫って大きく移動しサンタロサの空挺部隊と合流。

・最前線から回収部隊を引き抜いてECU13を前進し、作戦部隊と繋がる経路を確保。

結果、残りAPは2。やばいw



一方のエクアドル軍は、急いでサンタロサを奪還するか、逆に一時的にサンタロサの奪還を諦めて戦力が薄くなったペルー軍の最前線に対して大逆襲を仕掛けるチャンスが出来ました。しかし、奪還も大逆襲も失敗すると完全包囲により部隊は駆逐され、国境からサンタロサまで敵に制圧されるリスクがあります。

エクアドル軍の残りAPは10。何かいい手がないかと盤面を見ながらアレコレ考えるのですが、とにかくAPが足りません。結局、サンタロサを一時的に放棄し、ECU14周辺の部隊を使ってECU08「アレニージャス」都市部エリアの奪還を決断します。作戦準備として3つのユニットを移動させ残りAPは4。



ペルー軍はECU08に増援を送ることでAP0。このターンでの空挺部隊救出作戦に必要な攻撃は不可能になりました。その後、エクアドル軍が逆襲を開始。数ターン続くでしょうが増援も無い状況なのが苦しいところです。アマゾン戦線ではペルー軍が勝利確定。VP+1点を確保してターン終了となりました。



第8ターンです。

ペルー軍はECU09を固守する敵を排除するため戦闘を開始。敵は逃げ場がないため徐々に除去されていきます。エクアドル軍はECU08「アレニージャス」エリアを攻撃するも退却によりエリアから離脱となりました。



攻勢は失敗に終わりましたが、周辺に残存兵力を配置しておくことが大事なので時間稼ぎとしては大成功でしょう。一方でECU19「サンタロサ」エリア奪還のため部隊の前進を開始。ペルー側は海上哨戒や部隊の再配置などでAPを消費してしまい、ECU13の回収部隊がサンタロサまで前進できませんでした。


第9ターンは、前ターンで準備が整ったペルー軍が猛攻を開始。ECU09エリアを制圧し、ECU14「ベラヴィスタ」エリアへ侵攻。ECU19「サンタロサ」では両軍による戦闘が始まりましたが、回収部隊は無事に合流できました。最後に、マカラ=ロハ戦線でペルー軍の勝利が確定しVP+2点獲得でターン終了です。



第10ターンでは政治情勢フェイズに停戦判定を実行します。大統領トラックが「4」なので1d6で[5,6]が出れば、このターンの終了後にゲーム終了となります。結果は調停失敗でゲームは継続となりました。エクアドル側はコレを狙っていたのですが私のダイス運の悪さでは、やはり出なかったですw


しかし、計算してみるとペルー側のVPは0点で、ここで終わると結果は「引き分け」になります。これが12ターンまでゲームが継続するとペルー側のVPは-2点で、結果は「エクアドル軍の勝利」になります。よって、今回はこれ以上のVP獲得をさせずに最終ターンまで粘った方が良いことが分かります。


戦況の方は、ペルー軍がECU14「ベラヴィスタ」エリアの制圧に成功。占有したエリアが広大になった分、部隊の再配置で使用するAPの消費量も多くなり、動きが鈍くなります。次のターンの攻勢準備でほとんど終わってしまいました。うーん、これはどうやってもペルー側が間に合わないような。大丈夫かw



第11ターンの停戦判定も失敗。最終12ターンまでのゲーム継続が確定しました。戦況は、ECU19「サンタロサ」ではエクアドル軍が攻勢に失敗し退却。しかし、時間稼ぎの目的は成功しています。ペルー側はECU18にいる敵を攻撃。この敵部隊の影響で最前線への増援ができず作戦が中々進みませんでした。



下の写真は第12(最終)ターン開始時の盤面です。

現在のペルー側のVPは13。ゲーム終了時の最終VPは-2点となり、このまま行くと「エクアドル軍の勝利」となります。「ペルー軍の勝利」のためには更にVP+4点以上必要なのですが、この状況では達成困難なことが分かります。



ペルー側はVPをあと1点獲得すれば最終VPが-1点となり、ゲームは「引き分け」になります。よって、ペルー軍はVP+1点を獲得する作戦を組み立てなければなりません。


残るVP獲得エリアは、マップ右側のECU17とマップ上部に集まるECU22~ECU25エリアです。どちらもエクアドル軍が固守している状況です。ペルー側はOBJ17かOBJ22を占有したいのですが、両方を攻めるだけのAPがないのが悩ましいところです(残りAP17)。エクアドル側は固守するか、ECU05、ECU07辺りに切り込んで1点減点を狙ってくる大胆な戦法も考えられます。これを宿題にして色々と作戦を練ってみようと思います。次回が最終回です。


第12(最終)ターンです。

このままゲームが終了すると「エクアドル軍の勝利」となる状況です。ペルー軍はVPをあと1点獲得すれば勝敗を「引き分け」に変えることができます。ではどうするか?



ペルー軍の視点に立って、あと1点を獲得する作戦を組み立てます。


作戦目標となる自軍の現在地に近いVP獲得エリアはOBJ17とOBJ22です。OBJ17へ侵攻するルートはAOA01で、OBJ22へ侵攻するルートはAOA02となります。しかし、APが17しかないため両方を攻めることはできません。どちらを攻めるべきか?


OBJ17は周囲が山岳エリアとなっていて、移動するにもAPを多く消費し攻撃するにも防御側が有利な地形です。部隊を前進させても攻撃は1回しか出来ないかもしれません。


OBJ22は周囲が平地なので移動は楽ですが、敵の主力部隊が一帯を防衛しています。よって、多くの部隊を前進させる必要があります。


今回は移動後のAPが残るOBJ22を作戦目標とします。


AOA01を前進した主部隊はECU22エリアへ侵入し、戦闘によって敵を排除してOBJ22の占有を目指します。もしも、敵部隊が増援の為にECU22エリアへ移動したことで周辺の防御が手薄になった場合は、別部隊がAOA03を前進し03aか03bのOBJを占有します。


敵は、ECU17の部隊がAP6~8を使用してAEA01を前進し、01aか01bのエリアを占有することでVP+1点を取りに来る可能性があるため、増援用のAP(3~4)を保持しておきます。


このゲームの手番はチェスのような交互制ルールなので、何をいつやるかの順番が重要です。プレイ中は手番毎に駆け引きを仕掛けていくことになるでしょう。


それでは、第12(最終)ターンのプレイ開始となります。

1.まずは先攻のペルー軍が作戦通りにECU22エリアへ歩兵と砲兵の部隊を前進させます。(残りAP8)

2.エクアドル軍はECU20の守備部隊の中から工兵部隊1つだけを増援としてECU22へ送ります。(残りAP8)



3.ペルー軍は別部隊にAOA03を突破させるかAOA01へ増援を出すかで悩みましたが、ECU22制圧を決断し機甲部隊を増援に送りました(残りAP4)。ECU20は湿地エリアなので移動と戦闘にAPの負担がかかるため、ここはAPの温存を優先しました。

4.エクアドル軍はAEA01を前進してECU07のVP+1点を狙いに来ました。(残りAP2)

5.ペルー軍はECU22エリアで戦闘を開始。結果は双方共に歩兵部隊に損害が出ましたが、敵部隊が残留したためエリアの占有に失敗。ペルー軍の残りAPは2。もう一度だけ戦闘をするAPがあるので、ラストチャンスに賭ける形となってしまいました。



6.エクアドル軍がECU07エリアで戦闘を開始。ここで勝利しエリアを占有するとダメ押しのVP+1点を獲得できるので、敵プレイヤーの戦意を挫くのに大変効果的でしょう。しかし、山岳エリアにある町の攻略は難しく、結果は戦闘に敗北し退却となりました。やはり、ハイリスク・ハイリターンのアクションをダイス運の悪い私が実行するのは無謀だったかw



7.ペルー軍がECU22エリアで残りのAP全てを使って再度戦闘を開始。結果は両軍とも損害を受けて全部隊が退却しエリアが空になったところで戦闘が終了。ゲームルールにより、最後に撤退した部隊がエクアドル軍だったためエリアはエクアドル側支配となり、ペルー軍によるエリアの占有は失敗しました。



エクアドル側はAP1を残して手番をパスしたところでゲーム終了です。得点計算の結果は、ペルー軍の最終VPが-2点なので「エクアドル軍の勝利」となりました。


さて、のんびりと1か月以上かけて続けたこのゲームプレイも無事に終わりました。詳細はブログに纏めますが、大変素晴らしいゲームでありました。



<AAR>

ここからはブログ記事のまとめとなります。ゲーム終了後の感想は、ゲームシステムが私の好みに完全に一致しており大変面白かったです。以降は気に入った点を挙げていきます。チェスの様な手番交互制ルールは、どのアクションをどの順番で実行するのかが大変重要なのですが、対戦ゲームの場合はそこで駆け引きを仕掛けることができます。AP(行動ポイント)システムは、どれでも好きなアクションを実行できますが希望のアクションを全て実行することは数量的にできないようになっているため、ターン毎に決められたAP数値内でアクションをどのように選び組み立てていくのかをよく考えなければなりません。加えて、盤面上には3つのマップがあり、メインマップでVP獲得エリアの取り合いをしながら、別戦線の2つのマップではそれぞれ綱引きをしなければなりません。なので、どのマップにどれだけの戦力を割り当てるのかの判断も重要になってきます。それらのことから、盤面上のエリアコントロールと、リソース管理の悩ましさに手番交互制の順番による駆け引きが加わって、ゲーム中は何を優先し何を取り捨てするのかを終始比較し計画性をもって決断することになります。実際にゲームをプレイしてみると、ダイス判定の結果で次の行動内容がほぼ決定してしまうようなスタイルではなく、計画に基づいた部隊運用が出来るところが私の好みに合っていました。このゲームは小規模ながらも考えどころの多い大変優れた対戦ゲームであると思います。


「エクアドル・ペルー戦争 / Equatorial Clash」は、マップデザインの美しさ、コンポーネントの少なさによる使い勝手の良さ、それぞれの要素が上手く絡み合うようによく考え練られたゲームルールと、コンパクトにして非常に完成度の高い素晴らしい作品であり、お勧めできるゲームです。



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