公式キャンペーン・ドイツ軍第3章第1ミッション「貴重な貨物」攻略レポート

こちらは私が運営していたゲームブログ「真夜中のほうれん荘」の過去記事を公開状態で保管するために再投稿したものです。


2006.11.11  公式キャンペーン・ドイツ軍第3章第1ミッション「貴重な貨物」攻略レポート - RTS(BK2)

公式キャンペーン・ドイツ軍第3章第1ミッション「貴重な貨物」攻略レポート

目次


はじめに
作戦計画の立案
・・・状況判断(METT-T)
・・・・・任務分析(Mission)
・・・・・地形判断(Terrain & Weather)
・・・・・・・・「Go/No-Go」分析
・・・・・・・・自軍接近経路選出
・・・・・敵戦力の推測(Enemy)
・・・・・・・・敵の撃破地区の推測
・・・・・自軍戦力の把握(Troops)
・・・・・・・・部隊の編制
・・・・・・・・増援部隊の戦力
・・・・・・・・戦力の配分
・・・・・時間(Time Available)
・・・行動方針
・・・・・行動方針の分析-ウォーゲーム
・・・・・行動方針の割り当て
作戦の実行
作戦の考察(AAR)
略語とリンク


はじめに


こちらはブリッツクリーグ2(Blitzkrieg II:BK2)の公式キャンペーンミッションの攻略記事です。
ミッション情報が記述されているので、これから攻略する事を楽しみにしている方は、ネタバレが多分に含まれていますのでご注意下さい。

記事の流れは最初に作戦計画の立案として地形等の分析を行い、次に行動方針(部隊をどう動かすか)を計画、そして作戦の実行という形で進んでいきます。


作戦計画の立案


ミッションを達成する為に最も効率の良い方法を考え、それを実現する為に、部隊の行動を明確にした作戦計画書を作成します。

ゲームをプレイするにあたって、その時その時の気分や、敵(AI)の出方に反応してミッションを進めていくプレイスタイルだと頭の体操にはならないので、ここではまず先に作戦計画を立案し、計画案に沿って部隊を運用していくプレイスタイルを取ります。
計画案が不適切な場合は当然ミッション失敗になりますので、その場合は副案または新しく計画案を立案し、そのつどシミュレーション(模擬実験)していきます。


状況判断(METT-T)


作戦計画の立案に必要な情報は米国陸軍で使われるMTETT (Mission, Terrain&Weather, Enemy, Troops and Time Available)の書式で記述しています。
米国陸軍のFM(野戦教範)には、実務に必要な事柄が非常に細かくマニュアル化されていますが、その中から必要なものだけを抜き出し参考にしています。

ちなみに状況判断の項目は通常、METT-T(Mission, Enemy, Terrain, Troops and Time Available)と表記されますが、ここでは思考手順として敵戦力推測の前に地形判断を行うのでMTETTと表記しています。


任務分析(Mission)


それでは、ミッションスタート前に与えられる情報(任務内容)を見てみます。







例によってこれだけです・・・。
目標の正確な位置や予想敵戦力、自軍の戦力などの詳細が不明なので、文字通り白紙の状態から作戦計画を立案する事になります。

とりあえず、参考になりそうな情報を抜き出してみます。
・停車中のソ連の列車を駅にて襲撃し奪取する
・奪取した列車を自軍エリアまで輸送する
・駅と作戦地域南東部から敵の抵抗が予想される
・時期は1942年9月
・敵はソ連軍

まずは、ソ連の列車を駅にて奪取する事、そして奪取した列車を自軍エリアまで輸送する事が分かりました。


地形判断(Terrain & Weather)


次に、作戦地域の地図を入手し地形判断を行います。

こちらはBK2の「ハイパースクリーンショット作成機能」で撮影した、作戦地域の地図です

地図を参照すると上側が北になるので、自軍は南から北へ進軍する事になります

プロのマップデザイナーが作成しているだけあって、自然な感じの違和感のない綺麗なマップに仕上がっています。
実際に自分でマップを作成してみると、自然な感じに仕上げるのが本当に難しく、毎回四苦八苦しているんですよね・・・。

BK2のこの便利な機能のおかげでゲーム前に全体地図を入手する事が出来るので、グラフィックソフトなどを使って、この地図に統制線などを記入していく事が出来ます。


「Go/No-Go」分析


ここでは地図を参照し、「Go/No-Go」分析を行い進入可能地形と進入不可地形を明確にしていきます。
このマップでは進入不可地形が少なく、マップの右半分側は部隊の展開が楽に出来るようになっています。

進入不可地形(No-Go)を色で塗りつぶす


マップには他にも、目標地点である"OBJ DELTA01"、"OBJ DELTA02"と各町にそれぞれBRAVO01からBRAVO04までのコードネームを割り当てました。

・"OBJ DELTA01" 列車が停車している駅。襲撃地点
・"OBJ DELTA02" 自軍の拠点。奪取した列車をここまで輸送するものと推測
・BRAVO01    自軍支配地域
・BRAVO02    作戦中は緊要地形となる地域
・BRAVO03    駅周辺の町。敵の抵抗が予想される
・BRAVO04    敵の支配地域。この地域から敵部隊の襲撃が予想される
・AP       攻撃発起点として自軍部隊が集結する


自軍接近経路選出


先ほど行った「Go/No-Go」分析後の地図を見ると、残った進入可能地形から自軍のAOA(接近経路)を導くことが出来ます。

自軍の出発地点であるAPから"OBJ DELTA01"へのAOAを線引きします


この結果、自軍の主経路はAOA01からAOA05までの5つのルートが存在することが分かります。

接近経路一覧
・線路沿いに敵を排除しながらBRAVO03まで前進する経路(AOA01)
・BRAVO01からBRAVO03へつながる幹線道路の経路(AOA02)
・周囲を丘に囲まれた経路(AOA03)
・BRAVO01からBRAVO03までの最短経路(AOA04)
・AOA04経路上からBRAVO02を目指す経路(AOA04a)
・BRAVO01からBRAVO04を経由してBRAVO03を目指す経路(AOA05)
・AOA05経路上からBRAVO02を目指す経路(AOA05a)
・AOA05経路上からAOA04へ合流する経路(AOA05b)

この自軍AOAは、そのまま敵軍のAOAにもなります。


敵戦力の推測(Enemy)


次に、作戦地域に存在する敵の戦力を推測してみます。
結論を先に述べると、先程の任務分析の項目(上層部から与えられた情報)を見ても分かる様に全く情報が得られません。
作戦計画立案前に偵察活動を行う事も出来ないので、次項で述べる敵の撃破地区の推測等から、ある程度の規模を想定するしかありません。

ゲーム的には、今までクリアしたミッションで約3~5倍の戦力の敵軍を撃破して終了しているので、今度のミッションも同じくらいの戦力ではないかと思われます。
攻撃側より防御側の方が戦力が3倍以上大きいというのは中々凄い状況ですが、AIはそれほど巧みな戦法を取る事が出来ないので、ゲームとしてプレイする場合はその辺が妥協点なのかもしれません。

ただ、この様に敵の戦力が遥かに大きい場合は、敵の撃破地区以外にも終始に渡って敵が伏撃している可能性が高いので、部隊の進軍は全周囲警戒態勢でゆっくりと前進しなければならないでしょう。


敵の撃破地区の推測


ここでは作戦地図と自軍のAOAを見比べて、AOA上で敵が迎撃してくるであろうEA(交戦エリア・撃破地区)を推測します。

地形図を参考に接近経路上で敵の迎撃が予想される撃破地区を地図に記入していきます

町は防御側にとって最大の撃破地区として利用できる地形なので、こちらもEAに含めます

背景を取り除き簡略化した作戦地図に統制線を記入する


このマップは比較的開けた地形が多いので、EAは敵軍にとって有利な場所を想定し、該当しそうな区域を多めに記入しました。

推測した敵の予想撃破地区の区域をまとめると以下のようになります。
・線路部分のマップ外から敵の増援がある事を想定した区域(EA01)
・AOA02(幹線道路)の部隊を迎撃する区域(EA02)(EA03)
・BRAVO03の西側を迎撃する区域(EA04)(EA05)
・最短経路上のBRAVO02(緊要地形)周辺の区域(EA06)
・BRAVO03の南側を迎撃する区域(EA07)(EA09)
・BRAVO04へ接近する部隊を迎撃する区域(EA08)

次に、作戦進行の目安に使用するための統制線を引きます。

統制線の意味は以下のようになります。
・APは攻撃発起点として自軍部隊が集結する
・LD/LCは攻撃開始線及び接触線で、この位置から先は戦闘態勢で前進する
・"PL JULIETT"は敵の主抵抗線で、序盤の各中隊の前進同期をこのライン(線)で行う
・LOAは自軍部隊の進出制限線(前進限界線)を表す


自軍戦力の把握(Troops)


さて、ここまでの分析で地形、自軍接近経路、敵の予想撃破地区が明確になったので、次は作戦地域で行動する自軍の戦力について調べてみます。
戦力の把握には、初期戦力の他に増援も含めた全てのユニットの種類を明確にし、次に攻撃部隊を編制し戦力の配分を行っていきます。


部隊の編制


まずは、ミッション開始時から既に用意されている自軍のユニットを調べてみます。

作戦開始時の自軍戦力
2*主力歩兵
4*突撃歩兵
1*マシンガン兵 (MG42)
1*四号戦車D型
1*オートバイ兵
1*輸送トラック (主力兵輸送)
2*兵員輸送車  (突撃兵輸送)
1*工兵トラック

これらのユニットを部隊として編制し、どの程度の部隊規模になるのか確認してみます。

攻撃部隊(小隊規模)
1*突撃兵小隊  (4*突撃歩兵・2*兵員輸送車にそれぞれ乗車)
1*四号戦車D型  (近接支援)
1*オートバイ兵 (偵察兵)

防衛部隊(小隊規模)
1*歩兵小隊   (2*主力歩兵・1*マシンガン兵)
1*輸送トラック (補給兼務)
1*工兵トラック

このように分けると、開始時の自軍戦力が2*歩兵小隊程度の規模であることが分かります。


増援部隊の戦力


作戦中は初期戦力以外にも増援コマンドを使用する事で部隊を増やすことが出来るのですが、増援部隊がどの様な構成で出現するのかは、実際に増援をしてみないと分かりません。
そこで、まずは一度ミッションをスタートさせて全てのタイプの増援を呼び、出現するユニットの構成を調べてみました。

増援ユニット一覧
         1回に召集される戦力
1*突撃兵小隊  (3*突撃歩兵 1*対戦車兵)
1*軽戦車小隊  (4*三号戦車F型)
1*対戦車砲小隊 (4*50mm対戦車砲 4*輸送補給トラック)
増援回数(6回)

これは例えば、増援コマンドを使用して突撃歩兵を選択すると、1回に突撃歩兵が3ユニット(3個分隊なので1個小隊規模)と対戦車兵が1ユニット出現するということです。
このミッションでは増援を6回行えるので、例えば突撃歩兵を6回増援すると、18ユニットの突撃歩兵と6ユニットの対戦車兵を出現させることが出来ます。

それでは、各増援ユニットの構成も分かったので、6回の増援を行うとどの程度の戦力を召集できるのかチェックしてみます。

攻撃部隊の最小単位を軽戦車小隊(4*三号戦車F型)とみなし、この軽戦車小隊を揃える為には1回の増援が必要になります。
この事から6回の増援で6個軽戦車小隊を召集できる事が分かります。


戦力の配分


次に作戦地図と任務内容から、2個歩兵小隊及び6個軽戦車小隊規模の戦力の配分を見積もります。

作戦中の任務は大きく分けて2つ存在します。
・停車中のソ連の列車を駅にて襲撃し奪取する
・奪取した列車を自軍エリアまで輸送する

これとは別に「駅と作戦地域南東部から敵の抵抗が予想される」事から、敵部隊が南東部(BRAVO04)経由で列車や自軍拠点へ逆襲してくる可能性が考えられます。

この事から、部隊を列車の奪取と護衛を担当する攻撃部隊と自軍拠点を守備する防衛部隊の2つに分ける事にします。
・攻撃部隊は列車の奪取と護衛を担当する
・防衛部隊は自軍陣地(DELTA02・BRAVO01)を守備する

この段階での戦力配分は、おおよその範囲で割り当てる事にします。
・攻撃部隊は、1*歩兵小隊と3*軽戦車小隊で構成する(1*中隊規模)増援回数では3回
・防衛部隊は、1*歩兵小隊と2*軽戦車小隊で構成する(1*中隊規模)増援回数では2回
・1*軽戦車小隊(増援1回分)を予備として控置する (1*小隊規模)増援回数では1回


時間(Time Available)


作戦遂行にあたって最も重要な項目は時間の設定なのですが、BK2ではRTS(リアルタイムストラテジー)の分野のゲームでありながら、ゲーム中に時刻の概念がありません。
その為、ゲーム中はミッションの終了までゲーム内時間の経過を気にせず進める事が出来ます。
よって、部隊の移動時間や小任務完了までの設定時間、同時攻撃や防御の同期といった時間に関わる要素は考慮されません。


行動方針


ここからは、実際に部隊をどのように行動させていくかを考えていきます。
手順は行動方針のパターン(戦法)をいくつか選出し、それに対して分析(ウォーゲーム)を行い、分析の結果判明した欠点部分を補完していきます。

行動方針のパターンをより詳細に決定していくに従って、分析(ウォーゲーム)もそのつど必要になるので、いつまで経っても終わらない無限ループの様な作業になる為、ここでは最初のおおまかな戦法に対して分析を行い、その中から最適な行動方針を採用し、部隊の行動を決めていきます。


行動方針の分析-ウォーゲーム


それでは、おおまかな戦法をいくつか上げてみます。

1.攻撃部隊を1つの経路を使ってDELTA01へ前進させる
a.最短経路となるAOA04を前進させ、DELTA01で列車の奪取後はAOA01を掃討しながら戻る
b.AOA01を前進させ列車のルート上の敵を先に掃討しておき、同じルートで戻る

2.攻撃部隊を複数に分けて各経路を前進させる
a.部隊を2つに分けAOA01とAOA04を前進させ、線路を確保しながらDELTA01を挟撃する
b.部隊を2つに分けAOA04とAOA05を前進させ、BRAVO04の敵軍をこちらから強襲してしまう
c.部隊を2つに分けAOA01とAOA05を前進させ、線路の確保とBRAVO04への強襲を行う

それぞれの戦法を検討してみます。
1-a.
 攻撃部隊の全火力を持って最短経路を前進し迅速に制圧する戦法ですが、奪取した列車の速度が不明なので、列車の発進後に護衛の戦車部隊が果たして追従できるのかが不明点として残ります。
追従できなかった場合は、掃討していない線路上の敵軍によって列車が奪取または破壊される可能性があります。
1-b.
 遠回りになりますが線路を確保しながらDELTA01を目指す戦法です。
攻撃部隊の火力は高いですが、1個中隊規模の戦力がそのまま1箇所に集中する為に、場合によっては戦力の余剰が発生する可能性があります。
2-a.
 部隊を2つに分け線路の確保と緊要地形のBRAVO02を制圧する戦法です。
部隊規模が小さくなる分火力が落ちますが、BRAVO02を占領する事でBRAVO04から自軍陣地へ出撃した敵部隊を背後から強襲する事が出来ます。
2-b.
 部隊を2つに分け、敵の支配地域であるBRAVO04をこちらから強襲してしまおうという大胆な戦法です。
敵の反撃部隊を予め封じておけるので、DELTA01攻撃部隊は敵の増援の心配が無くなります。
この戦法を取る場合は、BRAVO04強襲用に大部隊の増援が必要になるでしょう。
2-c.
 2-b戦法の派生型で、部隊を2つに分け線路の確保とBRAVO04への強襲を行う戦法です。
戦法としては一番理想的ですが、その分大規模な部隊運用が必要になります。

増援を含めた自軍戦力(2*中隊規模)と作戦中に攻撃及び防衛任務が必要な事を考慮すると、BRAVO04強襲を行う2-b、2-cの戦法は戦力が足りない為に成功率が低いと判断できます。
1-a戦法の不明点も事前に確認できないので除去すると、1-b、2-a戦法が残ります。
残った2つの戦法を比べると、列車の奪取後に敵の反撃が予想される事から、自軍陣地の援護が出来る2-a戦法の方が優れている事が分かります。
1-b戦法では自軍陣地の援護へ向かう部隊の移動時間がよりかかりますが、2-a戦法では作戦地域の中央を占領しているので、自軍陣地や駅へ向かう敵部隊に迅速に対応する事が出来ます。

これらの事から、今回は2-a.の「部隊を2つに分けAOA01とAOA04を前進させ、線路を確保しながらDELTA01を挟撃する」戦法で作戦を実行する事にします。


行動方針の割り当て


次に、具体的な部隊の配置・行動プランを作成します。

まずは、もう一度任務の内容をまとめてみます。
・停車中のソ連の列車を駅(DELTA01)にて襲撃し奪取する
・奪取した列車を自軍エリア(DELTA02)まで輸送する
・駅(BRAVO03)と作戦地域南東部(BRAVO04)から敵の抵抗が予想される

自軍の作戦は以下の戦法を採用します。
・攻撃部隊を2つに分けAOA01とAOA04を前進させ、線路を確保しながらDELTA01を挟撃する

作戦の実行の為に自軍戦力を3つに分けA中隊、B中隊、C中隊として編制します。
・A中隊はAOA01を前進する
・B中隊はAOA04を前進する
・C中隊はBRAVO01を守備する

各中隊の責任範囲は以下の様になります。
・A中隊はDELTA01を制圧し自軍陣地まで列車の護衛を行う
・B中隊はBRAVO02を占領し、DELTA01を挟撃した後はBRAVO04から出撃する敵部隊を強襲する
・C中隊はBRAVO01に防御陣地を構築しDELTA02を目指す敵を迎撃する

各中隊の戦力
・A中隊 2*軽戦車小隊・4*突撃歩兵(2*兵員輸送補給車)・1*オートバイ兵
・B中隊 1*軽戦車小隊・1*四号戦車D型・2*輸送補給トラック
・C中隊 1*対戦車小隊・1*突撃兵小隊・2*主力歩兵・1*マシンガン兵・3*輸送補給トラック
B中隊は1個小隊規模の戦力しかありませんが作戦中は中隊として扱います。

増援内訳(計6回)
・3*軽戦車小隊
・1*突撃兵小隊
・1*対戦車砲小隊
・(増援残り1回分の戦力を予備戦力として控置する)

部隊戦力の配分は最終的に上記の様に割り当てました。
それでは、実際に各中隊の行動方針を決めていきます。

統制線を記入した作戦地図


背景を取り除き簡略化した作戦地図


まずはA中隊から。
増援コマンドで編制後、AOA01を前進しEA01を突破します。
この区域は敵の増援エリア(RA04)としてマップ外から線路部分を通って敵増援部隊が出現する可能性があるため、最小限の部隊(1*歩兵分隊程度)をBP05へ残して監視させます。
EA01突破後は"PL JULIETT"線まで進んだので一度停止し、B中隊の進捗を確認します。
(プレイヤーの操作をA中隊からB中隊に変更します)
B中隊の行動が終わったら、部隊を前進させEA04を突破しBRAVO03及びDELTA01を制圧します。
DELTA01の駅では部隊をBP06からBP09の四方へ展開させ、発車までの間、列車を援護します。
この時の部隊割り当ては以下の通りです。
・BP06にはRA03からの敵の援軍に対応する為に戦車を割り当てる
・BP07には歩兵を割り当てる
・BP08にはRA02からの敵の援軍に対応する為に戦車を割り当てる
・BP09には歩兵を割り当てる
列車が自軍陣地へ向け発車した後は、並走して列車の護衛を行います。

作戦中の防御陣地(BP01からBP09)を追加した作戦地図


背景を取り除き簡略化した作戦地図


次にB中隊。
増援コマンドで編制後、AOA04を前進しEA06を突破します。
突破後はBRAVO02を制圧占領し、敵の反撃がなければA中隊支援の為にBRAVO03を南から挟撃します。
DELTA01制圧後は速やかにBRAVO02へ戻り、BRAVO04を出撃する敵の反撃部隊を監視します。
敵部隊がBRAVO01またはBRAVO03へ向かうことを確認したら、機動防御戦術によって背後から強襲し敵を壊滅させます。
B中隊は1個戦車小隊規模の戦力しかないので、BRAVO02の制圧が失敗し損害が出た場合は、C中隊と合流しBRAVO01の防衛に加わるプランも想定しておきます。

最後にC中隊。
作戦開始後、AB中隊より先に増援コマンドを使用して部隊を編制し、BRAVO01の陣地強化を行います。
まず最初に戦車の増援を行い、BP01からBP03に戦車を急行させ陣を張ります。
この戦車部隊は陣地構築後はB中隊となり別行動を取ります。
次に突撃兵小隊を増援し、BP01からBP03に配備します。
その後に対戦車砲小隊を増援し、BO01からBP04の各陣地に対戦車砲を配備します。
この間に、工兵部隊がLD線とAOA04、AOA05の交点部分に地雷を設置し、敵の侵入を防ぎます。
各ユニットの配置が完了したらA中隊の増援を行います。

作戦中に判断が必要な詳細事項は、担当する中隊が独自に決定します。(ゲームにおいてはプレイ中にそのつど考慮します)

以上で作戦計画立案は終了し、次はミッションを決められた手順に従い進行していく事になります。


作戦の実行


ここでは、実際にミッションをスタートし作戦の進行を記録していきます。

ちなみに、この作戦を記録した動画ファイルを作成したので、作戦の流れはそちらをご覧になって参考にして下さい。


【ゲーム動画】ブリッツクリーグ2(Blitzkrieg II) ドイツ軍第3章第1ミッション「貴重な貨物」攻略レポート

状況
1942年9月 ドイツ軍は東部戦線において戦略物資を載せたソ連の列車を奪取する作戦を開始した。

背景を取り除き簡略化した作戦地図

DELTA01からDELTA02までは目標達成ごとに順番に指示されます

時間軸と戦闘地区単位でみる部隊行動の一覧
001-C中隊-「BRAVO01、BP01」地区- 敵を迎撃
002-A中隊-「EA03、EA01」地区- 撃破地区を突破
003-A中隊-「BRAVO03、DELTA01」地区- 目標地点制圧
004-B中隊-「BRAVO02」地区- 緊要地形制圧
005-A中隊分遣隊-「EA01」地区- 監視失敗
006-A中隊-「EA04」地区- 護衛失敗
007-A中隊-「EA01」地区- 護衛失敗
008-C中隊-「DELTA02」地区- 迎撃失敗

001-C中隊-「BRAVO01、BP01」地区- 敵を迎撃
 作戦開始後、自軍陣地防衛の為にまずはC中隊を編制します。
陣地強化の為にBRAVO01の町の外周に塹壕を構築し、歩兵と対戦車砲を配置したところで敵歩兵部隊がBRAVO04から襲撃してきました。
敵部隊はC中隊BP01班と後にB中隊として編制される戦車部隊によって撃破し、出だしの良いスタートとなりました。

002-A中隊-「EA03、EA01」地区- 撃破地区を突破
 編制されたA中隊は自軍陣地を進発しAOA01を前進します。
敵の防衛部隊は作戦計画立案段階の推測通りEA03及びEA01に配備されており、戦車部隊を持ってこれを蹂躙、撃破地区の突破に成功しました。
EA01のBP05には、予定通り1*歩兵分隊を残し敵の増援地点(RA04)を監視させます。

003-A中隊-「BRAVO03、DELTA01」地区- 目標地点制圧
 AOA01上を前進するA中隊は敵影の無いEA04を突破し、BRAVO03及びDELTA01の制圧を開始します。
この地区の敵の防衛部隊には強力な戦車が配備されていなかったので、損害もほとんど無い状態で制圧に成功しました。
敵の増援に対応する為に、歩兵と戦車の各部隊が予定通り列車の四方を囲み警戒態勢に入ります。
奪取した列車はプレイヤーが操作できる仕様になっていたので、A中隊の隊形と態勢の立て直しが完了するまで、DELTA01で待機させました。

004-B中隊-「BRAVO02」地区- 緊要地形制圧
 散開してBRAVO01の守備をしていた戦車部隊はBRAVO01のBP03に集結しB中隊を編制しました。B中隊はこのままAOA04aを前進しBRAVO02を制圧します。
BRAVO02では、敵は戦闘配置に付いておらず強襲された直後にテントから対戦車砲へ移動するような行動を取っていました。
戦車による蹂躙で制圧は簡単に成功し、この後BRAVO04から応援に駆けつけた歩兵部隊も壊滅させました。
B中隊は、BRAVO04からDELTA02へ向かう敵部隊を強襲する為に待機となります。

005-A中隊分遣隊-「EA01」地区- 監視失敗
 予測した通りRA04から敵の増援部隊が出現しましたが、警戒させていた1*歩兵分隊では迎撃することが出来ませんでした。
敵増援部隊はそのまま南下しDELTA02へ向かいます。

006-A中隊-「EA04」地区- 護衛失敗
 準備が整ったA中隊と奪取した列車は護衛隊形を組んでDELTA01を進発し、AOA01を逆に進んでDELTA02を目指します。
EA04地区を過ぎた時にRA03から敵の増援(1*T34戦車)が出現しました。
予定通り後方を警戒していた三号戦車に迎撃態勢を取らせますが、敵戦車の圧倒的な強さの前に簡単に撃破されてしまいました。
この瞬間、何か嫌な予感に襲われます・・・。

007-A中隊-「EA01」地区- 護衛失敗
 RA03から出現した敵戦車が背後から迫っているので、急いでA中隊及び列車をDELTA02へ向かわせますが、RA04地点から再び敵の増援が出現し前後から列車を攻撃しようと襲ってきました。
RA04から出現した敵の装甲列車の前にA中隊の戦車部隊は壊滅し、最後に残った歩兵部隊によって何とか敵装甲列車を破壊しました。

008-C中隊-「DELTA02」地区- 迎撃失敗
 南下した敵増援部隊とBRAVO04から襲撃してきたと思われる敵部隊によって自軍陣地DELTA02が占領されました。
急遽、BP01に1台だけ配備しておいた三号戦車をDELTA02の奪回に向かわせますが、敵のT34戦車の前に撃破されました。
奪取した列車はDELTA02を目の前にして、敵のT34戦車によって迎撃され破壊されます。

これにより今回の作戦は失敗となりました。


作戦の考察(AAR)


戦闘後の反省点も絡め作戦計画を考察してみます。

まずは今回の作戦の問題点を上げてみます。

・作戦計画立案段階での敵主力反撃経路の予想が外れ、またその対抗手段が不十分だった
・敵のT34戦車の能力が自軍部隊の最強火力(3号戦車・対戦車砲)を上回っていた為に、T34戦車を撃破出来ず、列車護衛及び陣地防衛が意味を成さなかった
・敵のT34戦車群に列車の追撃と自軍拠点の占領をされた時に、指揮官(プレイヤー)が一時的なパニック(思考停止)状態に陥り部隊の指揮統制が失われた

作戦計画の立案時は、奪取した列車を破壊または奪回する為の敵の反撃部隊は主にBRAVO04のRA01から来るだろうと予想していましたが、これが見事に外れました。
それでも、RA01からRA04に出現する増援部隊に対抗する為に、それぞれ防御陣地の構築または監視を行っていましたが、作戦の失敗要因であるRA04の対抗手段が不十分でした。
RA04から出現した敵部隊はBP05で監視する1*歩兵分隊では撃破出来ず、そのまま南下したところを今度はBP04の対戦車砲部隊をもってしても迎撃する事が出来ませんでした。
また、BRAVO04から前進して来たと推測される敵部隊を、なぜかBP01からBP03の部隊が迎撃する事が出来ず、陣地に侵入したこの両部隊の挟撃によってDELTA02は占領されてしまいました。



なぜ迎撃しなかったのか不思議に思っていたのですが、ゲーム中に撮影しておいた動画を後から見てみると理由が判明しました。
どうやら敵のT34戦車の装甲が硬すぎて、自軍の対戦車砲と3号戦車の攻撃力ではダメージが与えられない為、攻撃せずに見逃したようです。
(BK2では、ユニットは効果の出ない攻撃を行わないようになっています)

T-34Mod.42中戦車の装甲と威力のデータ

装甲が、前面・側面・後面ともに60を超えている

3号中戦車F型の装甲と威力のデータ

砲の威力が60しかない為、T34戦車を撃破するためには側面を攻撃しなければならない

50mmPak38軽対戦車砲の装甲と威力のデータ

砲の威力が51と低く射程距離も短い・・・

この場合は完全に破壊不可能ではなくT34戦車の側面に周る事で撃破する事が可能でした。
しかし、この作戦中はDELTA02周辺に機動戦のできる戦車部隊を配備させておかなかったので、T34戦車を破壊する事が出来ずにDELTA02の占領を許してしまいました。

ミッション終了直前。T34戦車の近くに自軍の対戦車砲部隊が位置するのだが・・・。

砲の射程距離が届かないか、撃破が見込めない為に攻撃を実行していない

以上のことから敵戦車への効果的な対抗手段が思い浮かばず、一時的なパニック(思考停止)状態に陥り部隊の指揮統制が失われました。
実は、この様な時の為に予備として増援コマンドを1回分(4*3号戦車相当)残しておいたのですが、パニック(思考停止)状態に陥る事で、増援を行う判断が出てきませんでした。
DELTA02を占領される前に増援を行っていたならば、3号戦車といえども4台をもってすればT34戦車1台を撃破する事は可能だったはずであり、最後の最後で何とかミッションを成功させることが出来たと思います。

ミッションを振り返ると、「行動方針の分析-ウォーゲーム」で案を出した「1-b.AOA01を前進させ列車のルート上の敵を先に掃討しておき、同じルートで戻る」戦法が一番効果的だったのかもしれません。
しかし、これは結果論なので、あくまで採用した作戦案に対して反省点を上げてみます。

反省点

1.B中隊をC中隊に合流させて自軍陣地を固定防御態勢で守備するべきだった

 問題の本質は、マップ内の複数の地点で同時に戦闘が展開されると、プレイヤーの視覚(状況把握)や画面の手動操作が追いつかず、対応が出来なくなる事にあります。

この作戦では、列車を護衛するA中隊と自軍陣地を守備するC中隊、敵を背後から強襲する為に待機しているB中隊の3箇所の地点に画面を変更して操作しなければなりませんでした。
その為、A中隊を移動させながら敵と交戦させ、同時に陣地を強襲する敵にはC中隊を対応させようと画面を忙しく操作していたので、B中隊に目を向ける余裕を失っていました。
実際には2地点の同時戦闘で目一杯な状態だったので、予めB中隊をC中隊に合流させて自軍陣地を固定防御態勢で守備させておけば、操作の負担を減らす事が出来、かつ戦力を集中する事も出来たと思います。
運が良ければ戦車部隊が編入されたC中隊ならば、敵のT34戦車を自動対応で撃破してくれたかもしれません。

今後のこういったプレイヤー本人の操作に関する問題は慣れも必要になってくると思いますが、まずは作戦計画立案の段階で無理のないプランを考えたほうが良いと結論できます。

2.A中隊の接近経路AOA01上で撃破地区の設定が甘かった

 EA01とEA03は接近経路でみると別々の経路に対して設定されていましたが、マップのスケールとユニットの射程距離の関係で、実際にはAOA01を前進するとEA01とEA03の両方から見事に挟撃されてしまいました。
この両方のEAを突破する為にA中隊はかなりの損害を出しており、序盤に出すであろう予想損害量を遥かに越えていました。
部隊の前進時は偵察部隊(戦車1台等)を先に移動させ、状況を確認してから進軍する基本行動を、面倒臭がらずに実行することが損害を抑える部隊運用につながると結論できます。

3.一時的なパニック(思考停止)状態に陥り部隊の指揮統制が失われた

 想定外の事が発生しどう対応して良いか分からなくなると、パニック(思考停止)状態に陥り一時的に判断・行動が出来なくなります。
この状態にならなければ一番良いのですが、なった場合にいかに早く態勢を立て直し、判断・実行出来るかが指揮統制の鍵になると思います。
「慣れ」とか「予め全てを想定しておく」などの方法論は存在しますが、意思や気合などのメンタル的な問題をマニュアル化して解決するのは難しいのでここでは結論を省きます。

まとめ
今回は失敗した作戦をレポートする事になりましたが、実際には失敗した方が後から得るものが多いのも事実です。
完璧な作戦計画などは存在しないので、いかに用意周到に計画しておくかがトラブル予防とトラブル発生時の迅速な判断・実行につながると思います。



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