今週遊んだボードゲームの感想

今週、家族(子ども、妻、私)で遊んだボードゲーム

  • プエルトリコ
  • インカの黄金
  • コテージガーデン(デジタル)

「プエルトリコ」
”プエルト・リコ”島でプランテーション農場を営み、生産した商品を本国へ出荷することで勝利ポイントを稼いでいくといった感じのゲーム。ゲームシステムは、手番のプレイヤーが選んだアクションを全員が順番に実行するバリアブルフェイズオーダーという方式になっている。2002年に発売された古い時代の超名作ゲームなのだが、どうしても欲しかったので購入してしまった。

家族3人でプレイ。私と子どもは3回目、妻は2回目のプレイとなる。ちなみに、私はiPadで動くiOS(デジタル)版のプエルトリコゲームを散々プレイしている。ゲーム開始後、子どもは順調に自分の農園を拡張していく。作物の種類は、トウモロコシ、砂糖きび、コーヒーなど分かりやすいものばかりなので、子どもにも理解しやすいようだ。一方、街に建てる建物の方は建築後の建物効果が色々とあって、これを一通り覚えるのがこのゲームの一番の難所となる(それでも、最近のヘビー級ゲームに比べれば圧倒的に少ない方だ)。なので、最初は迷っている子どもに親が建物効果のアドバイスをしてあげる方が良いと思う。プエルトリコは勝利ポイントのチップ以外は全て情報公開してゲームをするため、こういった半協力的なプレイをすることもできるのでファミリーゲームとしてもよく出来ている。次に、妻の方は「分からない、分からない」と連呼する割には、きっちりと出荷担当の船長カードを選んで私の出荷の邪魔をしながらVPを稼いでいる。だいたい、妻が長考するときは、分からないのではなく何か良からぬ策を考えているときなので、十分に注意しなければならない。私は、商館や市場、工場などの建物を建てて現金の収入を上げる戦略でいく。ゲーム終盤、子どもは農地(ハチエンダ)建物のおかげで全ての農場枠が農作物で埋まったので最終的に公邸建物を建てて追加VPを狙いにくる。私の方は砦建物を建てて島民数による追加VPを狙いにいく。妻は出荷で忙しかったようで資金が稼げず建築が全くの手薄になっていた。そして、出荷用のVPチップが底を尽きたことでゲーム終了。結果は妻が57点で優勝となった。大型建物を建てなかったにも関わらず、出荷だけで43点を叩き出していた。うーむ、恐るべし。私は52点で2位。妻に出荷を妨害された2回分が得点できていれば優勝だった感じ。子どもは46点で最下位。悔しがる小学校低学年の息子。さあ、次回も頑張れ!!

そんなわけで、このゲームは噂通りとても面白い。何と言ってもテーマが分かりやすく、そして実際にゲーム中に行なっているアクションが理にかなっていて現地の情景を想像しやすい。また、私はボードゲームでの個人ボードは嫌いな派なのだが、このゲームに限っては個人ボードに描かれた青い海が南の島を連想させてくれて、とても好きだ。プエルトリコは購入して本当に良かったと思える素晴らしい作品であった。

プエルトリコ


「インカの黄金」
子どものリクエストでプレイする。割り算を学校でまだ習っていない子どもが、このゲームのおかげで割り算ができるようになった。他にも、カードのシャッフル以外は自分でゲーム進行ができるようになった。随分と子どもの成長が感じられて親としてはただただ嬉しい。今回は、果敢に攻めた子どもが一人旅を満喫し得点を稼いでいく。だが、親も負けるわけにはいかない。妻によるバッティングの妨害を巧みにかわし、戦略的撤退を駆使してダンジョンに落ちている残りカス程度のお宝を米粒一つ残さないほどの注意深さで持ち帰る。結果は何と私の優勝。優勝を確信していた子どもは2位となり半泣きで悔しがる。勝負の分かれ目は、後半のダンジョンで、欲に目が眩んだ妻と子どもが深部まで進み探検失敗、大量のお宝をバーストで全て失ったあの瞬間だろう。15点以上も失ったのが大きかったが、”運も実力のうち”と言うことにしよう。


「コテージガーデン(デジタル)」
対戦型のパズルゲーム。元のアナログゲームは所有していないのだが、iOS版のデジタルボードゲームを購入したので、自宅にあるiPad2台を使って子どもと対戦プレイをしている。デジタル版の良いところは、準備や片付けなどの手間が一切無いこと。加えて、ゲーム進行や面倒な得点計算などもアプリがやってくれるので手軽で良い。欠点としては、将来的にアプリが更新されずゲームが起動しなくなる可能性があること。自宅にある35年前に紙で作られたアナログボードゲームは今でもプレイ可能だが、このアプリが35年後にこのiPadか別の何か新しいデジタル端末で起動するのかは分からない。なので、デジタルボードゲームの購入は今この瞬間だけ楽しめれば良いという判断が必要だ。

さて、このゲームはなぜかいつも子どもに負けるのだが、今回は私が勝つことができた。取得できるパズルのパーツの引き運(順番)が良かったのだろうか。

デジタル版のコテージガーデン

実は私は当初、パズルはゲームとしてはつまらないと思っていたのだが、最近、考えを改めた。パズル系ゲームは誰が一番早く完成するかというスピードレースであり、そこに共通の場に置かれたパーツを早取りしていくメカニクスを加えることで、相手への妨害を狙った他者とのインタラクションが多少発生する仕組みになっている。そして、これは最近流行りのボードゲームのスタイルそのものである。つまり、パズル系ゲームというのは、現在主流のゲームから無駄な要素を徹底的に排除した原型モデルのようなモノであることが分かる。昔のマルチやRTSではこういったスタイルは内政型などと言われていたが、現在、重量級のアナログボードゲームでは相手を破壊しまくる真逆の侵略型(攻撃型)のゲームはあまり見かけないので、侵略型は世界的に需要が無いのだろう。こういった内政型(パズル型)の場合、普通はゲーム開始時の段階で初期状況を吟味しゲーム終了時までの一連の行動方針を決定してしまう。いわゆる勝つための長期計画を立案し、ゲーム中は様々なトラブルに対応しながら最終的に長期計画を達成する(優勝する)ことを目指す。勝敗の分かれ目は計画が妨害される時であり、具体的には必要な資源などの要素を相手に早取りされてしまう時となる。なので、スピードレースになるわけである。一方の侵略型の場合は、早取りされた資源は直接攻撃して奪い返せばよいため、勝敗の分かれ目は活動資金などのリソースの枯渇により相手のアクションへの対応が出来なくなった時点が決定打になることが多い。こういった昔のマルチゲームはラウンド毎の状況変化が激しいため、手番毎に計画の変更を考慮しなければならず、この長考がプレイ時間の大幅な増加に繋がるため、近年は敬遠されるのだろう。

それでは、子どもの頭の体操をすることがゲームを遊ぶ目的とした場合は、それぞれにどのようなメリットがあるのだろうか。侵略型ゲームの場合は、常に状況が大きく変わるため手番毎に全体の状況把握をしなければならないので、当然ながら1ゲームの中で行う状況把握の回数が多い。状況把握は現実世界でも何かハプニングが起きた時に、ではどう行動(対応)するかを瞬時に選択する際に役に立つ。その練習をゲームの中で行うことで、状況把握に失敗し損をして痛い目にあったり、逆に上手く立ち回りできると成功し達成感を味わうことができる。なので、この練習回数を多く取れる侵略型ゲームは状況把握の練習に適していることが分かる。一方の、内政型(パズル型)ゲームの場合は、開始時に長期計画を立案し、これが達成できるように上手く運用していくことが求められる。つまり、ゲームを使ってマネジメントの練習を行うわけだが、具体的にはプランが停止しないようにトラブルを解決する方法や、もっと無駄のない効率的な動きが出来ないかと最適解を求める考え方を練習することになる。現実世界でも、自分で目標を立てて計画を作成し達成のために舵取りをすることは大事であり、内政型ゲームはその練習(計画の立案と最適解の考察、それを達成するためのトラブル対応)に適していることが分かる。なので、パズル系ゲームはそのための第一歩として位置付けると、小学校低学年レベルの子どもにはルールや見た目が複雑すぎず、ちょうど良いことが理解できた。加えて、子どもがパズルゲームに普段から触れているせいか、算数の図形の問題にも拒否反応を示さないので、やはりゲームを通して良い影響を受けているのだと思うに至った。

最後に、具体的な侵略型(攻撃型)ゲームと内政型(パズル型)ゲームについてだが、我が家で所有しているゲームで例を挙げると、侵略型は「パンデミック」(協力型だが毎ターン状況把握ができる)や「あやつり人形」、「コスタルアナ」がある。「コスタルアナ」は、1ゲーム5ラウンドで構成されているので5回の状況把握ができるようになっている。1プレイ20分くらいで終わってしまう軽量級ゲームなのだが、今でも軽量級のゲームならば侵略型のゲームは色々あるのではないかと思う。一方の、内政型(パズル型)なら「コテージガーデン」と「クマ牧場」がある。「クマ牧場」はルールとゲーム進行が簡単なのでおすすめしたい。また、基本ルール通りに高得点を狙う以外にも、美しい動物園(牧場)を作るといった見た目に凝った目標設定やその評価をするのがやりやすいので使い勝手が良い。


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