Harpoon3のチュートリアル4章

こちらは私が運営していたゲームブログ「真夜中のほうれん荘」の過去記事を公開状態で保管するために再投稿したものです。



2006.07.27  チュートリアル4章(武器) - SIM(Hapoon3)

チュートリアルの4章をまとめてみました。
ちなみに、ネットで公開されているチュートリアルのページはこちら。
Wiki(英語)

チュートリアル4章「武器の使い方」



ハープーン3(Harpoon3:H3)の戦闘では、対空、対艦、対潜、対地攻撃を行う事が出来ますが、どの攻撃方法でも操作は同じで、”Attack toolbar”ボタンを押して相手を指定するだけです。

複数ターゲットを指定する場合は、対象のシンボルをクリックではなく周りを囲むようにクリック&ドラッグで範囲枠を作り範囲指定します。

また、”Game Preferences”画面(ゲーム設定画面)で”Weapons Free”、”Weapons Tight”の切替をする事で自動攻撃の設定が出来ます。

設定画面での変更の他にも、登録されている”HotKey”で瞬時に設定を変える事も出来ます


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Weapons Tight:プレイヤーが手動で攻撃指定
Weapons Free :ユニットが自動攻撃。この状態でも手動で攻撃指定をする事は可能です
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通常は、”Weapons Free”の設定にしておき、ユニットを対潜哨戒やエア・パトロール等の任務に割り当てることで自動対応が出来るようにし、必要に応じて手動で(”Attack toolbar”ボタンを押して)攻撃を指定する形になると思います。

他にも、攻撃指定時に対象を選択しないで武器を発射する”Bearing Only Attacks (BOL)”という攻撃方法があります。
これは例えば、レーダーから敵を見失った時に大体の位置へミサイルを発射し、その後対象を発見しだいロックオンさせ誘導する方法だそうですが、こちらの運用方法は今のところまだ良く分かっていません(汗

基本的にはユニットが自動的に兵装を選択し攻撃及び迎撃をするので、対応はお任せで良いと思いますが、その為にはあらかじめユニットが危険な状態にならないように、相互防衛しながらの艦隊運用が必要になってくるでしょう。

それでは、これより先は実際にチュートリアル4章のMAPを使ってH3での戦闘を検証してみます。


まずはチュートリアルに指示されている通り、Ref1~Ref2へ移動するように針路を設定します


レーダー及びソナーがパッシブ状態になっているので、


センサー画面を開いて、指示通りレーダーをアクティブに変えます


画面には即座に白いリングが現れて、対空用レーダーの有効範囲が表示されました


SAM(surface-to-air missiles):艦対空ミサイルの射程距離(内側のリング)に比べて、対空レーダーの範囲が非常に広いのは、飛来するミサイルや航空機の速度が速過ぎるので、かなりの遠距離から捕捉していないと対応が間に合わないからでしょう。

程なくして、BOGIE(未確認航空機)を自艦のESM(Electronic Support Measures)によって捕捉しました


この段階ではまだレーダー波で機影を検出しただけで、相手の機種を特定できません


未確認のままSAMの射程距離に入った段階で迎撃する事は可能ですが、実際問題として考えると、この機体は敵機なのか、IFF(敵味方識別装置)が何らかの原因で作動していない友軍機なのか、全く戦闘には関係しない民間の旅客機なのかの区別がつきません。
こういった要素を考慮すると、未確認のまま迎撃する行為は自艦の安全確保の為とはいえ、非常に危険な行為だということが分かります。

これらの事から、今回は交戦規定として戦闘前に対象の特定を義務付けるものとし、そういう設定でゲームをプレイしてみます。

ようやく相手を特定し、敵機だと識別できたのは自艦から5海里(約9km)の距離でした


敵の種別はBearF(Tu-142 Bear-F)で旧ソ連の対艦対潜攻撃機です


この機体は、H3のデータベースで調べると最大射程4.5海里の投下型魚雷を搭載しているので、間もなく攻撃態勢に入る事が分かります。

それではこちらも迎撃態勢に入り、今回は手動で(”Attack toolbar”ボタンを押して)攻撃対象を指定します。

カーソルが攻撃マークに変わったら対象をクリックすることで、発射する武器を選ぶ画面に変わります

ご覧の通り、既にコンピュータにより適した兵器が選択されています

この場合は対空ミサイルが適しているので、SM1(スタンダードミサイル)が2発発射されるように設定されています。
手動で攻撃した場合は、この画面で自由に兵器や発射弾数が設定できるので、税金の節約の為に発射ミサイル数を少なくする事も可能です。

OKボタンを押すと、発射シーンを収めた短いムービーが流れてミサイルが発射されます


収録されているムービーは今時のゲームに比べるとかなりチープなものなので、あまり期待しない方が良いかもしれません(笑)
また、大部隊MAPでは同時に行われる戦闘回数も多く、不正終了の原因にもなりそうなので、設定でムービーやサウンドの再生をOFFにしておいた方がよさそうです。

見事に迎撃成功しました。CICスクリーンにHITマークが現れて命中したことが分かります


さて、再び現れたBOGIE(未確認航空機)に対して、今度はレポートを表示させてみます


依然、身元不明機のままですが、検出したエミッターである程度の推測が出来ます


画面下段の”DETECTED EMISSIONS”を見ると、”*Wet Eye Surface Search”と表示されています。
これは”Wet Eye”と呼ばれる旧ソ連製の艦船索敵レーダー(surface search radar)が検出された事を表していて、どうやらこの機体も先程と同じBearFの可能性が高くなりました。

今回も、機種の特定が出来るまで待機していると、自艦から5海里程度の距離で敵機として識別、そのまま放置してみると今度は自動攻撃で撃墜しました。

この件に関しての問題点は最後に考察するとして、次は対艦攻撃について検証してみます。

レーダーの表示を対空レーダーから対艦レーダーに切り替えました

自艦の北側(MAPの上側)に四角で表された未確認艦船のシンボルが2つ確認できます

未確認艦船の周りを囲む三角形及びダイヤモンドのフレームは、艦船の位置がまだ正確に特定できていない時に、そのフレームの中の範囲のどこかに居るだろうと言うことを、自艦のESMによって表現されています。
その為、実際にはこの画像の様に艦船がアイルランドの陸地の近くに居るわけではなく、位置が特定されていないのでシンボルをクリックして攻撃する事もできません。



対空レーダーの時とは違って、対艦レーダーの範囲は狭く逆にSSM(surface-to-surface missiles):艦対艦ミサイルの射程距離はレーダー範囲よりも広いです。
これは、艦船の移動スピードが遅いのでそれほど広い範囲をカバーしなくても良い事と、対艦ミサイルの射程距離を少しでも長くして、相手の武器より遠いところから有利に攻撃できるようにと考えられているのが分かります。

今回も相手の識別が出来るまで放置していると、11海里の距離にて敵機として識別しました


敵の艦船は、旧ソ連の小型ミサイル高速艇のようです


敵艦と識別したので交戦(自動攻撃にて対応させました)となりますが、BearFの迎撃時とは違い、今回は敵艦も応戦してきました。
両者、至近距離での対艦ミサイルの撃ち合いとなり、両艦とも損傷を受けて戦闘不能状態になりました。

自艦のレポート画面を出すとダメージが100%損傷で撃沈状態です・・・(汗


この任務では、敵航空機数機と艦船1隻を撃破しましたが、自艦を戦闘不能状態にさせ多数の乗組員の死傷者を出した時点で完全な敗北です。

では、いったい何が悪かったのでしょうか?

BearFの迎撃時では応戦されず、小型ミサイル高速艇の時に応戦された理由は、H3のデータベースを調べると分かります。

BearFが搭載している”E45-75A”と呼ばれる投下型魚雷の最大射程は4.5海里なのに対し、先程の戦闘では自艦から5海里の距離で識別が成功し迎撃ミサイルを発射する事が出来ました。
これは、わずか0.5海里(約900m)の差で、BearFの武器の射程外から攻撃できた事を示しています。
目視による識別の場合は、天候などの影響で識別範囲が狭くなる様なので、今回はたまたま運が良かったと認識した方が良さそうです。

一方、小型ミサイル高速艇との交戦は自艦から11海里の距離で行われましたが、小型ミサイル高速艇に搭載されている”SS-N-2C Improved Styx”と呼ばれる対艦対地ミサイルの性能を見てみると、最大射程45海里、最高速度658ノットという事が分かりました。
これは、既にかなり前から敵ミサイルの射程距離に入っていたわけで、相手が攻撃してこなかったのは、こちらと同じく識別が出来なかったか、こちらを捕捉していなかった、のどちらかでしょう。

近代兵器は、高性能化が進み命中率や破壊力が前大戦時に比べ桁外れに高くなっています。
良く狙って発射した武器はまず外れることはなく、当たればミサイル1発で戦闘機や艦船も沈む威力なのは、先程のゲームの結果を見ても明らかです。

この様な戦いにおいては、武器を発射する前の段階の、いかにより早く敵を捕捉し識別し、素早く遠距離から攻撃を先制するかという事が重要なのが理解出来ます。

ちなみに、自艦に搭載していた”RGM-84C Harpoon IB”とよばれるハープーン対艦対地ミサイルの性能は、最大射程85海里、最高速度570ノットです。
最大射程が85海里もありながら11海里の距離まで発射できなかったのは、”戦闘前に対象の特定を義務付ける”という先程独自に決めた交戦規定により、相手が特定されるまで交戦できなかった為です。
現実的に考えても、この交戦規定は不条理なものではないために、規定を厳守する事を原則とすると、今後は、ではどうやって早い段階で(自艦からの距離が遠い段階で)対象を識別できるようにするか?という点に問題点が絞れてきます。

こういった問題に対してどのように対応するか考察し検証する事が、H3の面白さであり醍醐味になると思います。

この問題に対しては、敵をいち早く見つける為にAWACS(早期警戒機)やヘリ、航空機などを先導させてのパトロール任務や、他の艦船との連携、陸上のレーダー施設からの情報共有などの手段が必要になってくるでしょう。

先程のBearFの迎撃は、自艦からわずか5海里という極めてきわどい距離において行われましたが、自艦に搭載している対空ミサイルの最大射程は25~30海里もあるので、もし、これらの手段によってかなり前の段階で識別ができていれば、より安全に迎撃できたかもしれません。

航空機や艦隊を組んでの連携は、チュートリアルの後半で習うので、これらについてはまた次回のお楽しみにしたいと思います。

今回は、ミサイルフリゲート(フリゲート艦とは呼ばず、正確には単にフリゲートと呼ぶそうです)といえど、支援無しの単艦で行動する事は非常に危険である事が理解出来ました。

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